にゃほー。
果物の美味しい季節だね!だけど、果物にもアレルギーがあるんだよ!
リンゴを食べながら、果物アレルギーを記事にしたくなったのでまとめますね。
果物アレルギー
果物アレルギーで多いのは ”バラ科”・ ”ウリ科” の果物
皆さん、果物の美味しい季節ですが、「最近果物を食べるとなんだかピリピリする」という方はいらっしゃいませんか?もしかしたら『果物アレルギー』かもしれませんよ。
果物アレルギーは小児には少なく、10歳頃から徐々に増えていきます。大人に多いアレルギーです。
原因になりやすい食品は、リンゴ・ナシ・モモ・サクランボ・イチゴなどの ”バラ科” に属する果物と、メロン・スイカなどの ”ウリ科” に属する果物です。
他にもバナナや柑橘類などのアレルギーもありますが、バラ科の果物アレルギーと比べると少ないようです。
果物アレルギーは2種類に分かれる
果物アレルギーは大きく分類すると2種類に分かれます。
- 即時型食物アレルギー(一般的な食物アレルギー)
- 口腔アレルギー症候群(各種花粉症に伴う食物アレルギー)
果物アレルギーのうち、8〜9割が『口腔アレルギー症候群』と言われています。鶏卵や乳などと同じ『一般的な食物アレルギー』は少ないんです。
口腔アレルギー症候群(OAS:Oral allergy syndrome)
口腔アレルギー症候群とは、口腔・咽頭粘膜症状を主徴とする食物アレルギーのことです。花粉症に合併することが多いためPFS(pollen-associated food allergy syndrome)とも呼ばれます。
果物の中に、花粉症の原因花粉(スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、オオアワガエリ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギなど)と似た成分(共通抗原)が含まれているために、花粉と果物成分を勘違いして発症してしまうアレルギーです。
口腔アレルギー症候群の原因になるタンパク質は加熱や発酵でかなり分解される成分なので、加熱された果汁や発酵した果汁(リンゴ酢など)は摂取できる場合が多いです。
生フルーツジュースは加熱されていないため症状が出てしまいますが、濃縮還元果汁は加熱処理が入るため、接種できる場合が多いです。(ただし、アレルギーの出やすさには個人差があるので注意です)
また、口腔アレルギー症候群の原因タンパク質は胃酸で分解されやすく、腸まで届きづらいため、アレルギーの全身症状(全身蕁麻疹やアナフィラキシー症状)は起こしづらいです。そのため、口の中(口腔)症状がメインなんですね。
Thermo Scientificさんのページより
どの花粉がどの果物アレルギーと関連があるかどうか、とてもよくまとまっている表です
一部の野菜でもOASを起こすことがあります
即時型食物アレルギー(一般的な食物アレルギーとしての果物アレルギー)
バナナやキウイフルーツ、柑橘類などの一部の果物は、口腔アレルギー症候群ではない『一般的な食物アレルギー』の場合があります。
こちらは加熱処理でも分解されづらいタンパク質が原因となることが多く、全身アレルギー症状を起こすこともあります。加熱加工品でも除去が必要になる場合が多いです。
皆さんの果物アレルギーがどちらのタイプなのかはアレルギー専門の医師とよく相談してください。マニアックな分野ですので、アレルギー専門の医師じゃないと判別が困難な場合もあります。
おまけ 『ぷよりんご』
青森県が作って最近公開された無料ブラウザゲームです。皆さん大好き「ぷよぷ◯」のリンゴバージョンです。”むずかしい” でプレイしたら全く消せなかった。。。
こんな冗談みたいなアプリを県が作っているなんて・・・スバラシイ!
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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