子育て

『トロッコ問題』私の考え

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Dr.小柳

みなさん、昨日出題した『トロッコ問題』の答えは出ましたでしょうか?
今日は私の考えを述べます。いろいろな意見の中の1つとして聞いていただければと思います。

トロッコ問題

まずは昨日のブログ記事を読んでください

本日は昨日のブログ記事『トロッコ問題』の『解答編』ですので、必ず昨日の記事を先に読んでください。

そして、あなたなりの「答え」と「その理由」を考えてから本日の記事をお読みください。

注意として、中学生以下のお子さんにはこの問題を解かせないでください。

トロッコ問題『私の解答』

それでは、ここからが『私の解答』です!

結論から申し上げます。

こんな問題「解く必要がない」もしくは「解きたくない」!!!

以下、解説です。

『トロッコ問題』を初めて見て ”違和感” を感じた

一部では『トロッコ問題』を ”人の命の尊さを考えさせる 良問” として捉えている節があります。

しかし、私は初めて『トロッコ問題』を目の当たりにした時、「この問題は何かがおかしい」という”違和感” しか感じませんでした。

”違和感” の正体

『トロッコ問題』を知ったのは数年前なのですが、この ”違和感” のせいで答えらしい答えも導き出せないままでした。

最近になり、この ”違和感” の正体がわかったんです!

”違和感” の正体・・・それは、『トロッコ問題では未来が確定してしまっている』ことです。

通常の生活で未来が確定していることはない

この世界で『絶対に確定している事実』なんてものは存在しないんです。

トロッコ問題では出題の時点で「5人の死」または「1人の死」が確定しています。まだトロッコが線路を進んでいる最中なのに。神様でもなければ未来のことなんてわかるわけありません。

線路を進んでいる途中で脱線するかもしれないし、人々がトロッコが近づいて来るのに気づいてうまく避けるかもしれません。

出題されているタイミングで「未来の結果が判明している」のがまずおかしいです。

人間に他人の生死を選ぶ権利なんて無い

トロッコ問題は言い換えれば『「5人の死」か「1人の死」、どちらかを選べ』です。

こんな問題は解きたく無いです。心的ストレスでしかありません。

医者が人の生死を選択することはまず無い

よく医療ドラマで『危篤の患者が2人いる。どちらかしか助けることができない。どっちを選ぶ?』みたいな設定がありますが、実際の医療ではあり得ません。

  • 災害などで、死の危機に直面している患者が複数同時に発生したとします。
  • 対応にあたる医師・看護師は、「軽症」「中等症」「重症」「すでに死亡している」などの『トリアージ』を行います。
  • 次に、「重症」の中でも『治療をすれば助かる見込みのある人』から順々に治療を開始します。
  • 同程度の症状の患者が同時に存在した場合、治療の準備ができた方から治療を開始します。

実際の現場では上記のような明確な ”順序” が存在するため、「医師が人の生死を選択する」ような場面は無いんです!
医師には患者さんが助かるかどうかなんていう”未来” はわからず、必死に助けようと努力しているだけなんです!

私は医師として、今まで多くの生死の現場に立ち会いましたが、私は「患者さんを全力で助けようと努力する」のみであり、「患者さんの生死を選ぶ」ような場面は一度も遭遇していません。おそらくこの先もそのような場面に遭遇することはないと思います。

個人的な意見なのですが、『トロッコ問題』は「カイジ」や「イカゲーム」に近い世界観なんじゃないかな?って思います。

「他人の生死」を選択することは大きな心的ストレス

医療関係者ですら「人の生死を選択する」ような場面には一生遭遇しないのに、一般人にこの『トロッコ問題』を解かせるのは無用な心的ストレスを与えることになります。

と言いつつ、今回みなさんにこの『トロッコ問題』を解いてもらったわけですが・・・ごめんなさい。

私は『トロッコ問題』は”人の命の尊さを考えさせる 良問” とは思えません。
いろいろな意見があるとは思いますが、少なくとも小さなお子さんにこの問題を解かせるのはやめましょう!

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Dr.小柳

ぜんぜんアレルギーとは関係がない記事で申し訳ありません。
まだ小学生くらいの小さなお子さんに『トロッコ問題』を解かせているというニュースを見て、一言言いたくなってしまいました。いろいろな意見があると思いますし、私の考えは一般的には間違っているかもしれません。
「そんな意見もあるんだな」というスタンスで俯瞰していただければと思います。

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

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