インフォメーション

インフルエンザ接種回数について

https://i0.wp.com/oyanagiallergyclinic.com/wp-content/uploads/2022/05/91bfe02ace532bee28130dd052a8541e.jpg?fit=300%2C300&ssl=1
にゃっほー

にゃほー。
今日はインフルエンザ予防接種の『接種回数』についてだよ!

インフルエンザ予防接種

接種回数

国内での一般的な接種回数

インフルエンザワクチンの添付文書では、以下のように記載されています。

  • 生後6ヶ月〜13歳未満 2回接種
  • 13歳以上 1回接種

これは日本国内で一般的に推奨されている接種回数です。

インフルエンザ予防接種は『任意予防接種』であり、法定の『定期予防接種』とは異なり、「接種を受ける/受けない」は全くの自由とされています。

また、上記の接種回数は法律上規定された回数ではなく、日本国内で ”推奨” されている接種回数であり、”その通りの回数打たなければいけない” というものではありません。例えば、13歳以上でも、希望すれば2回接種することが可能です。

WHO(世界保健機関)推奨の接種回数

日本以外の多くの国では、WHO(世界保健機関)が推奨している接種回数に準じています。

  • 生後6ヶ月〜2歳未満 2回接種
  • 2歳〜生後9歳未満 以前にインフルエンザ予防接種を受けたことがない 2回接種
  • 2歳〜生後9歳未満 以前にインフルエンザ予防接種を受けたことがある 1回接種
  • 9歳以上 1回接種

調べる限り、『日本方式』の接種回数は日本だけのようです。

なぜ日本だけ摂取回数が多いのか?

みなさん、「どうして日本だけ接種回数が多いのか」疑問に思いませんか?

実は以前、”日本の子どものインフルエンザ予防接種は世界各国と比べて効果が弱かった”んです。そのため、世界標準の接種回数よりも多くの回数を接種するようになりました。

予防接種の効果が弱かった理由がこちら。

2010年までの日本の接種量

6ヶ月~11ヶ月  0.1ml


1歳~5歳      0.2ml


6歳~12歳    0.3ml


13歳        0.5ml

2011年以降の日本の接種量
(国際的な接種量)

3歳未満  0.25ml


3歳以上  0.5ml

2010年まで日本の小児は、国際的な接種量と比較して少ない量の接種をしていたため、予防接種の効果が弱かったと推測されています。

そのため、2011年からは国際的な接種量に合わせる事になりました。

接種量はWHO基準に合わせたのに、接種回数は以前のまま

2011年からは日本も小児の接種量をWHO基準に合わせるようになりました。しかし、摂取回数は以前の基準のまま変わっていません。

更に細かいデータを見てみましょう。

以下は化血研製ワクチンの2011年の臨床試験成績です。

6ヶ月以上3歳未満の小児38例で検討
(1回に0.25ml接種)
  中和抗体陽転率
ブタインフルエンザ

1回目接種後 36.8% 
2回目接種後 81.6% 
A香港型   1回目接種後 47.4% 
2回目接種後 86.8% 
B型   1回目接種後 18.4% 
2回目接種後 47.4% 
3歳以上13歳未満の小児28例で検討
(1回に0.5ml接種)
  中和抗体陽転率
ブタインフルエンザ

1回目接種後 85.7% 
2回目接種後 96.4% 
A香港型    1回目接種後 75.0% 
2回目接種後 82.1% 
B型   1回目接種後 39.3% 
2回目接種後 39.3% 

この結果を見る限り、3歳以上(0.5ml接種)では1回接種と2回接種の抗体陽転率に大きな差がない事がわかります。このデータから、WHOが推奨している摂取回数には妥当性があると言えます。

当クリニックでは、WHO基準の接種回数に準じた接種回数を推奨します

以上のデータから、当クリニックでは下記の接種回数を推奨します。

・9歳以上 1回接種
・1歳以上9歳未満で昨シーズンにインフルエンザ接種をした方 1回接種
・1歳以上9歳未満で昨シーズンにインフルエンザ接種をしていない方 2回接種

ネットで調べてもらうとわかると思いますが、全国では複数のクリニックがWHO基準に準じた接種回数を推奨しています。

インフルエンザ予防接種は任意接種ですので、「接種しない」「WHO基準の接種回数」「日本基準の接種回数」「13歳以上だけど2回接種したい」など、様々な選択肢があります。

どれを選ぶかは個人の判断ですし、1回接種よりも2回接種のほうが効果がわずかに高いのも事実です。
そのため、従来の「日本基準の接種回数」をご希望の方はもちろん、その回数で接種致しますので、ご安心ください。さらに、「13歳以上だけれど2回接種希望」であれば2回接種致します

生後6ヶ月〜1歳未満もインフルエンザ予防接種対象月齢ですが、1歳以上と比べて予防接種効果が弱いこと、離乳食が始まったばかりだと鶏卵アレルギーの有無がまだわからないなどの理由から、当院では対象外とさせていただきます。

https://i0.wp.com/oyanagiallergyclinic.com/wp-content/uploads/2021/10/ym196966341910114216315.png?fit=256%2C256&ssl=1
Dr.小柳

『当院推奨の接種回数』は強制ではありません。「普通の接種回数が良い」という方はもちろんOKですので、ご安心ください!

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

クリックで『いいね!』 (9 いいね!)

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。