みなさんこんにちは。
小中学校の食物アレルギー児童数が発表されました。
全国公立小中学校の『食物アレルギー児童数』は52万7千人!
公立小中高校などで食物アレルギーがある児童生徒は6・3%で、少なくとも約52万6千人に上ることが30日、公益財団法人日本学校保健会が2022年度に実施した調査で分かった。13年度の前回調査から1・8ポイント上昇。重いアレルギー症状のアナフィラキシーを起こしたことがあるのは全体の0・6%で、こちらも増加傾向だった。(山陽新聞デジタル2023.6.30)
数年おきに実施されている調査ですが、全国の公立小中学校の食物アレルギー児童が『少なくとも52万7千人』いることがアンケート調査により判明しました。
数年前の調査から明らかに増加しているようです。
少子化なのに増加
この数年はかなりのスピードで『少子化』が進んでおり、全児童数は明らかに減少しているのですが、これに反する形で食物アレルギー児童は増えているんです。
どうして増加しているのかは明らかになっていませんが、
- 学童期になっても治らない『重症食物アレルギー』児童が増えた
- 花粉症児童が増えており、『花粉症が関連する果物アレルギー』が増えた
- 『ごく軽症の食物アレルギー』でもしっかり学校に報告するようになった
などが考えられます。
おそらく次の統計から減り始める
近年、食物アレルギー児童数は増加の一途を辿っていましたが、私の個人的な予想では次の統計から減り始めると考えています。
というのは、東京都の3歳児健診の最新の統計では “食物アレルギー児が減り始めた” んです!
こちらも原因はよくわかっていないのですが、乳幼児に熱心にスキンケア指導することで、「アトピー性皮膚炎が減少→食物アレルギーが減少」という流れがあるのではないかと推測されています。
全国的にも同じような傾向になっていくと思いますし、少子化も止まらないため、食物アレルギー児童数は減っていくのだろうと思います。
統計はともかく、重症の食物アレルギー児童が減って欲しいと願うばかりです。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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