みなさんこんにちは。
いや〜大変なことになっていますね・・・
紅麹サプリ(小林製薬)で健康被害
複数の死亡報告
みなさん、ニュース見てますか?
小林製薬から ”悪玉コレステロールを下げる” という宣伝文句で販売されているサプリメント『紅麹コレステヘルプ』を服用していた多数の方に健康被害が出ているようです。
服用していた方の死亡報告が4名に増え、服用していた方の健康相談が1万件を超えたそうです。さすがにこれだけの体調不良者が出たとなると ”たまたま” ということはありえなさそうです。
小林製薬HPより引用
健康に良いとされている「機能性表示食品」として販売
今回問題となっているサプリは健康に良いという謳い文句の「機能性表示食品」として販売されていました。
以前に当ブログでも「機能性表示食品」と「特定保健用食品(トクホ)」の違いについて解説しましたが、トクホは国の安全性審査があるのに対し、機能性表示食品には国の審査がありません。”安全かどうか”や”謳い文句通りの効果があるのか” の厳格な審査が無いんです。
ですので、「内臓脂肪を減らす」という表示がされているお茶などが多く販売されていますが、圧倒的に『トクホ』のほうが信頼性が高いです。
紅麹の危険性は過去に指摘されていた
紅麹は体に良さそうなイメージなのですが、今回の事件があったので少し調べてみました。
すると、驚いたことに、2014年に紅麹の危険性について食品安全委員会から注意喚起が出ていました。
紅麹を由来とするサプリメントに注意(欧州で注意喚起)
一部の紅麹菌はシトルリンという有害物質を作ることがあり、欧州では紅麹を使用した食品には厳格な安全基準が設けられているようです。
今回の原因は不明
今回問題となっているサプリメントでは、シトルリンを産生しない菌株を使用しており、過去の検査ではサプリメントからシトルリンは検出されていなかったと報告されています。今のところ健康被害の原因は不明のようです。
菌株が突然変異で毒性物質を産生するようになったのか、生産過程で異物/毒物が混入したのかわかりませんが、これ以上被害を拡大させないためにも原因究明を急いでほしいところです。
紅麹菌は古くから食品に利用されており、すべての紅麹が悪いわけでは無いと思いますが、原因が判明するまでは注意したほうが良いかもしれません。
数年に一度くらいのペースで健康食品による健康被害が報告されています。気をつけなきゃいけませんね・・・
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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