その他

OTC類似薬の25%が自己負担に!!

https://i0.wp.com/oyanagiallergyclinic.com/wp-content/uploads/2022/05/91bfe02ace532bee28130dd052a8541e.jpg?resize=300%2C300&ssl=1
にゃっほー

にゃほー。年末に衝撃のニュースだよ!!!

https://i0.wp.com/oyanagiallergyclinic.com/wp-content/uploads/2021/10/ym196966341910114216315.png?resize=256%2C256&ssl=1
Dr.小柳

みなさん、先日衝撃のニュースが飛び込んできました!
クリニックや病院で処方されるOTC類似薬料金の1/4を患者さんが自己負担することが決まったようです。。。

OTC類似薬 料金の25%を患者さんが負担

1.OTC類似薬とは

まず OTC類似薬(オーティーシー類似薬) が何を指すかを整理します。

一般的に 「OTC医薬品」 とは薬局やドラッグストアで処方箋不要・全額自己負担で購入できる市販薬です。対して 「OTC類似薬」市販薬と成分や効能が類似している医療用医薬品 を指し、通常は医師の処方が必要で健康保険が適用されるため、患者の自己負担は原則として1〜3割に抑えられています。こうした仕組みのため、軽度の症状でも医療機関を受診しやすく、結果として 医療費全体の増加につながっている という指摘があります。 TOKYO MX

政府・厚生労働省の検討資料でも、OTC類似薬は医療保険制度の持続可能性や現役世代の保険料負担軽減という観点から見直しが進められている点が示されています。 厚生労働省

今回の対象になる薬剤
湿布薬、痛み止め、風邪薬、抗アレルギー薬、保湿剤など 

患者さんにとって非常に身近な薬剤の多くが対象となります

 

2.見直しの背景

① 医療費の増加と保険料負担の課題

日本は超高齢社会の進展に伴い、医療費が増え続けており、2023年度の医療費は過去最高の約48兆円に達しています。この増加ペースを抑えなければ、現役世代の保険料負担や税負担がさらに重くなるとの懸念が存在します。 TOKYO MX

このため政府や与党では、医療費抑制策の一環として 「セルフメディケーション(自身による軽度症状の対処)を促進し、軽微な疾患の通院医療費を削減する」 ことが重要とされています。

② OTC類似薬給付のあり方の見直し

こうした流れの中で、市販薬に近い機能を持つ医療用医薬品(OTC類似薬)について、保険給付のあり方を見直す議論 が進んでいます。政府の審議会では、この見直しが医療保険制度の持続可能性や現役世代の負担軽減に寄与する可能性が検討されてきました。 厚生労働省

 

3.合意案の内容(2025年12月)

2025年12月19日、自民党と日本維新の会は OTC類似薬の保険給付見直しについて大枠で合意 しました。

◎ 主な内容

  • 対象は約 77成分・約1100品目 のOTC類似薬。湿布薬やアレルギー薬、胃腸薬などが含まれると見られています。 m3.com

  • 医療保険の給付は維持したまま、薬剤費の 4分の1相当額を「特別の料金」 として患者に負担させる制度を創設します。制度は別途の仕組みとして新設され、法律改正を経て2026年度中の導入を目指していると報じられています。 m3.com

  • 子ども(18歳未満)やがん・難病患者、低所得者など配慮を要する層については、負担対象から外す配慮が示されています。 TBS NEWS DIG

この新制度により、 患者の負担額が現行より増える ことになりますが、保険適用は残るため全額自己負担にはなりません。 毎日新聞

◎ 期待される効果

政府・与党側は、この見直しによって 保険給付費が抑制され、医療費全体の約1880億円程度の削減が見込まれる とする見方を示しています。 FNNプライムオンライン

また、自民党の政調会長は、現役世代の保険料負担軽減につながる側面があると主張しています。 FNNプライムオンライン

 

4.賛否の声

◇ 支持する立場

  • 日本維新の会などは、OTC類似薬の給付見直しが 受診抑制やセルフメディケーション促進につながり、医療費抑制の一助になる と強調しています。 TOKYO MX

  • 軽微な症状で医療機関を受診する文化を変え、本当に必要な医療に税・保険資源を集中させるべきだという考えです。

◇ 反対・懸念する立場

一方で、 医療現場や患者団体、日本医師会などからは反発や慎重意見 が根強くあります。

  • OTC類似薬を保険適用外または自己負担増にすると、 経済的に余裕のない患者の受診控えが起こる可能性がある と懸念されています。 TOKYO MX

  • 医師側は、適正な薬の使用や健康管理は専門医の診断が必要であり、安易な自己判断による薬購入にリスクがあると指摘しています。 TOKYO MX

  • 患者団体のヒアリングでも、保険除外や負担増については慎重な意見が多く、社会保障審議会の医療保険部会でも意見が分かれています。 日本共産党

 

5.今後のプロセス

現段階では、与党内の合意があるものの、 関連法案は2026年の通常国会に提出される予定 です。制度導入はこの法整備と国会審議を経て実施されます。 m3.com

また、社会保障審議会などでの公開審議や詳細な議論も継続していますが、国民に分かりやすい説明や反対意見への対応が求められています。 日本共産党

 

6.なぜ今見直すのか ー 社会保障制度の限界

医療保険制度は多くの現役世代と高齢者の保険料・税金によって支えられています。少子高齢化が進む中で、 負担と給付のバランスを保つための見直しは必須 との考えが政府内にあります。OTC類似薬の給付見直しはその一環として位置づけられており、保険財政の健全化や社会保障制度の持続可能性への対応という大きな政策課題に紐づいています。 厚生労働省

 

まとめ
・OTC類似薬とは市販薬と類似した成分の医療用薬で、健康保険が適用され現状は低負担で利用可能。
・自民党と日本維新の会は OTC類似薬の薬剤費の4分の1を患者負担とする新制度で合意 しました。
・これにより対象薬品の自己負担が増え、医療費抑制効果や保険料軽減への期待がありますが、医療界・患者団体からは 受診控えや経済的負担増への懸念 の声も強いです。
・関連法案は2026年通常国会に提出予定で、今後具体的な制度設計や審議が続きます。

https://i0.wp.com/oyanagiallergyclinic.com/wp-content/uploads/2021/10/ym196966341910114216315.png?resize=256%2C256&ssl=1
Dr.小柳

あまりにも急な制度変更にびっくりです。今回は小児(18歳未満)は対象から外れていますが、今後どうなっていくのでしょうか?

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

クリックで『いいね!』 (1 いいね!)

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。