にゃほー。
またもや衝撃的なタイトルだね!どういう意味なんだろう?
今日は鶏卵アレルギーに関する話題です。まずは以前の”おさらい”から。
おさらい
経皮感作
『食物アレルギーは皮膚から作られる』ことは以前のブログで何回も取り上げました。
アレルギーは治る時代
アレルギーは治る時代2
アレルギーは遺伝するのか:食物アレルギー
要点をまとめると以下の通りです。
- 乳児期(1歳まで)の皮膚の状態が悪い(アトピー性皮膚炎など)ほど食物アレルギーになりやすい
- 湿疹・乾燥肌は皮膚のバリアが破綻しており、食物などのアレルゲンが通過/侵入してしまう
- 皮下に侵入してきたアレルゲンを敵とみなしてアレルギー体質が作られる
鶏卵アレルギーが最も患者数が多い
食物アレルギーの原因食品として最も多いのが『鶏卵』です。なんと食物アレルギー全体の30〜40%を占めています。
今日の話題は、「なぜこれほどまでに鶏卵アレルギーが多いのか?」という疑問に対するヒントになるかもしれません。
家庭内に卵はどのくらい落ちているのか
経皮感作に関わる食物アレルゲンは目に見えないくらい小さい
食物アレルギーは主に、荒れた皮膚から食物が ”染み込んで” 皮下に侵入することで食物アレルギー体質が形成されます。
この皮膚に染み込む”食物”ですが、テーブルや床に落ちている ”食べカス” をイメージされる方が多いかもしれませんが、誤りです。
乾燥肌・湿疹でできる皮膚の隙間は目に見えないくらい小さく、その隙間を縫って皮下に染み込むわけですから、皮下に侵入する食物は、当然、目に見えないくらい小さいものになります。
実は、目に見えないほど小さな食物アレルゲンはそこらじゅうに落ちていることが判明しており、「食物が皮膚に付着しなければ良い」という考えで、テーブルや床を必死に掃除しても、食物アレルゲンを完全に取り除くことは不可能なことがわかっています。
鶏卵アレルゲンは家中に落ちている、布団の中にも。
2019年にアレルギーで有名な『国立成育医療研究センター』から衝撃的な研究結果が発表されました。
家に落ちている鶏卵アレルゲン量を調べた研究なのですが、驚いたことに、全ての家庭で子どもの寝具から鶏卵アレルゲンが検出されました。
さらに驚いたことに、今回検出された鶏卵アレルゲンは、一般的に家庭の寝具から検出されるダニアレルゲンよりもかなり高濃度だったそうです!ダニよりも卵の方が布団にいっぱい落ちているんです!
食品を寝具に持ち込まない家庭からも多量検出されたようです。
鶏卵アレルゲンは体に付着しやすい
私見ですが、鶏卵アレルゲンは粘性が強く、体に付着しやすいんだろうと推測しています。
入浴・シャワーで洗っても落としきれず、寝具内に持ち込んでいるんだと思います。
逆に、「粘性の低い食品は体に付着しにくく、食物アレルギーになりづらいんじゃないかな〜」と考えています。
あなたの布団も卵まみれかもしれません。
世界中が卵まみれになる日も近いね。。。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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