にゃほー。
アトピーの治療開始は早いほど良いんだって!
生後1ヶ月頃からのアトピー発症が多い
多くのお子さんのアトピー性皮膚炎を見てきましたが、1歳未満発症の『乳児アトピー』はほとんどが「生後1ヶ月前後」から始まるようです。
出生直後の赤ちゃんの皮膚の水分量は非常に高く、かなり水々しくて柔らかいお肌をしています。生後1ヶ月頃から、皮膚の新陳代謝により、皮膚の細胞が入れ替わり、徐々に幼児期の肌に変わっていきます。
アトピー性皮膚炎の体質がなければ、ある程度の水分量を保ったモチモチした皮膚を保てますが、生まれながらにアトピー性皮膚炎の体質のある方は、生後1ヶ月頃を境に皮膚の水分喪失が始まります。
「乾燥肌」を放置すると強い皮膚炎に
皮膚の水分がやや足りなくなった状態が「乾燥肌(ドライスキン)」です。この時点ではまだ強い皮膚炎は起きていません。
このまま乾燥肌を放置すると、皮膚はひび割れ、ひび割れの隙間から細菌や汚れなどの外敵が皮膚深部に侵入することで皮膚炎を起こします。
一度強い皮膚炎を起こしてしまうと、治療はなかなか大変になります。
「乾燥肌」の時点で対処すれば皮膚炎は予防できる
皮膚炎を起こす前段階の「乾燥肌」の時点で、保湿剤を多量にしっかりと塗ると、皮膚内部に水分が戻って皮膚がひび割れるを防いでくれます。「皮膚のバリア」が復活するんです。
アトピー性皮膚炎は皮膚炎がかなり悪化してしまってから受診される方が多いのですが、生後1ヶ月頃の「乾燥肌」の状態からしっかりとした保湿を開始できれば、皮膚炎に至るのを予防できる可能性があります。
特に家系にアトピー性皮膚炎体質の方がいる場合は生まれたてから皮膚の状態に気をつけ、少しでも乾燥肌の傾向が見られたら早期に受診されることをお勧めします。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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