にゃほー。
腸内細菌が脳に影響を与えるんだって!
脳腸相関
ヤクルト1000が大人気
『ヤクルト1000』が売れに売れているらしいです。
公式WEBサイトより
通常のヤクルトが1本あたり200億個の「乳酸菌シロタ株」が入っているのに対し、1本あたり1000億個も含んでいるそうです。5倍ですよ!
この『ヤクルト1000』ですが、「睡眠の質向上」「ストレス緩和」作用があることが信頼度の高い二重盲検法という研究法で裏付けられました。
4月のテレビ放送でマツコデラックスさんが「ヤクルト1000を愛飲しており、眠りの質が良くなった」と発言してから爆発的に売れているようです。
ヤクルト1000の睡眠の質向上効果に関する論文
徳島大学の研究グループによって研究報告され、査読付き論文に掲載されました。
94人の大学生を、乳酸菌シロタ株が入った本物のヤクルト1000と味が同じのニセ物(プラセボ)を飲むグループに分けて、11週間にわたって飲用してもらい、睡眠の変化を観察したそうです。
睡眠のデータは、本人の感想だけでなく、脳波による客観的な睡眠段階の比較も行われました。本物のヤクルト1000を飲んだグループは、ニセ物に比べて深い睡眠(徐波睡眠)が統計的に有意に増加し、かつ定量脳波解析で、睡眠の深さを示す徐波(デルタ波)のパワー値が有意に高かったことも示されました。
論文をチラ見しましたが、非常にアカデミックな研究で、かなり信頼性のある研究データです。
ただし、ヤクルト1000に含まれる乳酸菌シロタ株の睡眠促進のメカニズムについては、まだはっきりしたことはわかっていないようです。また、「悪夢が増えた」という口コミが一部のSNSで投稿されているようです。真偽はわかりません。
腸内細菌が脳に影響を与える『脳腸相関』
Wikipediaより『脳腸相関』
脳腸相関(のうちょうそうかん、英: brain-gut interaction)とは、ヒトにおいて脳の状態が腸に影響を及ぼし、逆に腸の状態も脳に影響を及ぼす現象である。脳と腸は自律神経系やホルモン、サイトカインなどの液性因子を介して密に関連していることが知られている。この双方向的な関連を「脳腸相関」(英: brain-gut interaction)または「脳腸軸」(英: brain-gut axis)と呼ぶ[1]。これは成人だけではなく子供にも見られる[2]。
難しい文章でわかりづらいですが、簡単にいうと ”「脳」と「腸」はお互いに情報をやりとりしている” ということです。
これは様々な研究で実証されてきており、
- 緊張するとお腹が痛くなって便意をもよおす(脳→腸)
- 腸内細菌の状態が悪いと「うつ病」を発症しやすくなる(腸→脳)
等々、様々な研究結果が出てきています。
腸内細菌の研究は始まったばかりですが、『第二の遺伝子』と呼ばれるくらい人間の体調に深く関わっているものです。以前から当ブログでも指摘していますが、1つの論文を鵜呑みにしてはいけません。「ヤクルト1000」が本当に体に良いのかどうか、追加研究が出てくるのを期待しています。
先日「ヤクルト1000」を見かけたんだけど、買いそびれました。その後どこに行っても「売り切れ」です。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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