今日は昨日のブログの続きです。
アレルギー患者減少の理由
昨日のブログ記事の通り、東京などの都市部ではアトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどのアレルギー患者さんが減少傾向のようです。
今日はその理由について考察します。
その1 アトピーと食物アレルギーは ”予防ができるかもしれない病気” である
以前のブログでも取り上げましたが、最近の研究結果から、アトピーと食物アレルギーは ”予防ができるかもしれない病気” と言われるようになってきました。
- アトピー家系に生まれた赤ちゃんに毎日保湿剤をたっぷり塗るとアトピー性皮膚炎の発症を3割も減らすことができた
- アトピー性皮膚炎が発症すると食物アレルギー(とくに鶏卵アレルギー)が多い→アトピー性皮膚炎を予防できれば食物アレルギーを減らせるのでは無いか?
参考記事はコチラ
その2 乳幼児健診などの場で ”赤ちゃんのスキンケアの重要性” が指導されるようになった
赤ちゃんのスキンケアにより、アトピー性皮膚炎になる可能性を減らすことができ、さらには食物アレルギーが予防できる可能性があることがわかりました。
この研究結果をうけ、産婦人科や乳幼児健診、子育て支援などの場において ”赤ちゃんのスキンケアの重要性” が入念に指導されるようになってきました。
特に東京などの都市部ではこの傾向が顕著のようです。
「アトピー性皮膚炎」「食物アレルギー」患者が減り始めた時期と、上記の研究発表の時期がちょうど重なります。これだけが原因では無いと思いますが、アレルギー患者の減少に大きな影響を与えた可能性があります。
「気管支喘息」「アレルギー性鼻炎」の減少傾向については理由がよくわかっていません。アトピー性皮膚炎患者の減少が始まるよりも前からじわじわと減っており、”赤ちゃんのスキンケア” の影響はあまり大きくなさそうです。
もっと研究が進んでアレルギーで苦しむお子さんが減ってくれることを願っています。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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