にゃっほー新型コロナウイルスワクチンの副作用についてのご相談が増えてきたので解説するよ!
新型コロナウイルスワクチンの副作用についてのご相談が増えてきたので解説するよ!
新型コロナウイルスワクチンとアナフィラキシー
ファイザー社、モデルナ社製ワクチンでアナフィラキシーが多い
新型コロナウイルスワクチンの詳細については様々なサイトで素晴らしい『まとめ』が出ているので、割愛します。詳しくお勉強したい方は検索してみてください。
今日は、現在国内で使用されているファイザー社とモデルナ社製ワクチンにアナフィラキシー(全身の急性アレルギー反応)の副作用がやや多いと報道されており、最近、アレルギー外来でご相談いただく機会が増えてきたので、個人的な見解をお話しします。
どんな種類のワクチンでもアナフィラキシーは起きることがあるのですが、ファイザー社・モデルナ社製新型コロナウイルスワクチンでは約20万接種に1回の割合でアナフィラキシーが起きると報告されています。他のワクチン(新型コロナワクチン以外も含めて)では平均100万接種に1回程度と報告されていますので、割合としては高いです。
男女比でみると男性:女性=1:9で圧倒的に女性に起こりやすいと報告されています。
原因はPEG?
この2社製のワクチンでアナフィラキシーの報告が多い理由について、各国で研究されているのですが、ワクチンに添加されている成分の一つ、PEG(ポリエチレングリコール)が原因ではないかと推測されています。
PEGは様々な医薬品の安定化剤・保存剤として割とよく使われており、基本的には人体には無害で安全な物質です。ただ、人体にとって異物であることには変わりなく、ごく一部の人でアレルギー反応の原因になってしまうようです。
PEGは化粧品にも使用されていることがあり、ファイザー社・モデルナ社製ワクチンによるアナフィラキシーが女性に圧倒的に多い理由なのではないかと言われています。
アレルギーのある人は新型コロナワクチン打たない方が良い?
結論から申し上げます。
アレルギー体質があってもそれほど心配する必要はない。
(医薬品・化粧品で重篤なアレルギー症状が出たことがある人だけ注意)
様々な意見があると思いますが、私の個人的な見解はこちらです。
理由としては、以下の通りです。
- 確かに他のワクチンよりはアナフィラキシー率が高そうだが、今のところ接種後アナフィラキシーで死亡した報告がない。
- 仮にアナフィラキシーを発症しても、ほとんどの場合において、迅速に適切な治療を行えば後遺症も残さずに治る。
- 食物アレルギーやアトピー性皮膚炎、気管支喘息などの持病があるせいで新型コロナワクチンによるアナフィラキシーを起こしやすくなるというデータは今のところ無い
- 新型コロナウイルスに感染してしまう方がよっぽど危ない(死亡率・後遺症を残す確率はワクチン接種とは比較にならないくらい高い)
予防接種をするかしないかは個人の判断になりますが、「新型コロナワクチンによるアナフィラキシーについては心配しすぎなくても良いのではないか」というのが個人的な見解です。
16歳未満の小児に新型コロナ予防接種が必要かどうかについてはまた違う話なので、そのうちお話しできればと思います。
文責; 小柳貴人(アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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