Dr.小柳
ちょっとずつ元気が出てきたので、ブログ頑張ります。
抗体は敵を知らせる『マーカー』
抗体とは
新型コロナウイルスが大流行して以来、『抗体』という言葉がかなりメジャーになったように思います。
- ウイルスに感染すると抗体が増える
- 予防接種(ワクチン)を打つと抗体が増える
ニュース番組などでも良く耳にする言葉です。
この『抗体』について、ほとんどの人が大きな勘違いをしています。
その勘違いとは、”抗体がウイルスをやっつけてくれる” と思い込んでしまっていることです。
そうじゃないんですよ!!
免疫学・アレルギー学を専攻した人間として、どうしても皆さんに知ってもらいたいのでまとめます。
ウイルスに感染したり、予防接種を受けると『抗体』が作られる
抗体の特徴は以下の通り
- ウイルス(または細菌)に感染したり、予防接種を受けると、そのウイルスに対する抗体が作られる
- 抗体はそのウイルス(または細菌)専用の物質であり、他のウイルス(または細菌)に作用することはできない
- 時間が経つと徐々に抗体の数が減り、時間と共に効き目がどんどん弱くなっていく
- 抗体が直接ウイルスや細菌をやっつけるわけではない
文章だけだとわかりづらいですね (^_^;)
というわけで、イラスト解説!!
これが『抗体の役割』だ!
まずはウイルスが体内に侵入
そのウイルスに対する抗体を持っていた場合
- ウイルスに抗体がくっつき、『敵』であることを知らせます
- 抗体に敵の居場所を教えてもらった『白血球』がウイルスを退治します
そのウイルスに対する抗体を持っていない場合
- 『敵』を教えてくれる抗体が存在しないと、白血球は働くことができません
抗体は『敵』を教えてくれるマーカー
ご理解いただけましたでしょうか?
Dr.小柳
免疫ってかなり複雑で、本当はもっともっと細かいのですが、『抗体の役割』を一言で表すとこんな感じです。
参考になりました??
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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