今日は専門医の資格について解説するよ!
認定医、専門医、指導医とか、いろいろありすぎ!
皆さん、”認定医” とか、”専門医” とか、”指導医” とか聞いたことがありませんか?
「『ある分野の専門』というのはわかるけど、それぞれの違いがわからない」という方がほとんどではないでしょうか?
医師免許
医学部を卒業して、医師国家試験に合格すると晴れて『医師免許』を取得できます。
この『医師免許』を持っていないと、”保険診療(健康保険による補助がある診療)” ”自由診療(すべて自費で行う診療)”にかかわらず、法律で医療行為を行うことを禁止されています。
そのため、医師は必ず医師免許を持っているということになります。
医師免許があればほぼ全ての医療行為が可能
一般の方はよく誤解されているのですが、実は、国内のほぼ全ての医療行為はこの『医師免許』を持っていれば法律上は可能です。外科専門医などの特別な資格がなくても手術は可能ということです。
さらに、クリニック(診療所)や病院で看板に掲ている、内科や小児科などの『標榜科』も厚生労働省が指定した科名ならば、医師免許を持っていれば自由に掲げて良いことになっています。
医師免許さえ持っていれば、アレルギー専門医の資格などを持っていなくても『アレルギー科』の看板は出せるということになります。
じゃあ、認定医・専門医・指導医って何なの?
簡単に言うと、その分野で一定以上の知識・技能を持った医師であることの証明です。
所定の学会(その分野を専門とする医師の勉強会組織)が定める基準(勤続年数や診察した患者数など)をクリアし、審査(筆記テストや面接試験など)に合格することで資格を取得できます。
一般的に認定医<専門医<指導医の順に高度の経験・知識が必要で、専門医を受験するために、まず認定医に合格していなければいけません。同様に、指導医を受験するために、専門医に合格していなければいけません。学会によっては専門医・指導医しか設定がなく、認定医は存在しない場合があります。
アレルギー学会、小児科学会は認定医は存在せず、専門医・指導医のみが設定されています。
指導医は最上級の資格であり、認定医や専門医を育成・指導するための能力があると認定された医師であり、知識や経験だけでなく、研究発表などの経験が豊富にある人のみが認定されます。
専門医や指導医の資格がない専門家も存在する
自分の専門分野の知識をより深いものにするために多くの医師は専門医資格の取得を目指すのですが、普段の診療が忙しすぎて専門医試験を受験する暇が作れない医師なども存在するため、専門医の資格がないからといって専門知識がないとは限りません。
今日は専門医の資格について解説したよ。専門医は専門知識を持っているかどうかの証明だけど、専門医資格を持っていない人でも専門知識を持っている人も存在するんだね。
文責; 小柳貴人(アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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