にゃほー。
今日はアトピー性皮膚炎の注射薬(デュピクセント®)についての話題だよ!
みなさんこんにちは。
先日の新潟日報にデュピクセント®についての記事が載ったようです。
アトピー性皮膚炎全身薬(内服薬・注射薬)は多くの方に効果あり
以前、アトピー性皮膚炎の治療薬といえば「ステロイド軟膏」「保湿剤」しかありませんでした。しかし、この数年の新薬開発ラッシュで「新世代の塗り薬」「アトピー炎症を抑えるの内服薬・注射薬」の開発が相次ぎました。
その中でも、デュピクセント®(デュピルマブ)という注射薬は生後6ヶ月から使用できることとなり、小児のアトピー性皮膚炎の治療薬としてかなり期待されています。
『魔法のアトピー薬』のような報道も
乳児期から使用できるようになった注射薬デュピクセント®について、様々なメディアで紹介されるようになりました。
ほとんどのメディアが好意的な内容の記事であり、
- よく効く
- 一気に改善する
- 止めた後もある程度効果が持続
- アトピーの特効薬
など、良いことがいっぱい書いてあります。
デュピクセント®は中等症以上のアトピーが対象
最近、小児のアトピー患者さんからデュピクセント®についてお問い合わせいただくことが増えてきました。
- 「ずっと塗り薬を塗っているけれど、なかなか完治しない。”注射薬がよく効く” という新聞記事を見た」
- 「注射薬で早く治したい」
- 「ステロイド軟膏塗りたくないから注射薬希望」
様々なご要望があります。
しかし、デュピクセントはあくまでも『既存治療で改善が見られない中等症以上のアトピー性皮膚炎患者』が対象です。ステロイド軟膏などの既存治療である程度の改善が見込める患者さんは対象にはなりません。
アトピー治療は従来の『ステロイド軟膏および保湿剤塗布』が中心
特に乳幼児のアトピーは年長児や成人と比べて ”塗り薬が効きやすい” ことがわかっています。成人と比べて皮膚が薄く、体表面積も小さいため、塗り薬が圧倒的によく効きます。
デュピクセント®などの全身療法は塗り薬では改善が見込めない患者さん限定の薬ですのでご了承ください。
デュピクセント®がよく効くのは確かですが、まずは基本的な治療をしっかり行いましょう!
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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