アトピー性皮膚炎

保湿剤が塗り足りていない

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にゃっほー

にゃほー。
今日は保湿剤を塗る量についての解説だよ!

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Dr.小柳

アトピーで通院されている方には必ずお話ししているのですが、とても大事なことなのでブログでもまとめておきます。

適切な量の保湿剤を塗らなければアトピーは良くならない

つい先日、アトピーで通院されている患者さん(小児)のお母さんから「先生に言われたとおりの量の保湿剤を塗り続けていたら、肌がめちゃくちゃ良くなりました。」という非常に嬉しいお言葉をいただきました。
その量というのが、『保湿剤(ヒルドイドソフト軟膏®︎)500gを1ヶ月で全部使い切ってください』というものでした。
「500g!」とびっくりされる方もいらっしゃるかもしれませんが、小児でもこれくらいの量が推奨されているんです。今日は保湿剤を塗る量について解説します!

アトピーがなかなか治らないのは ”塗り足りていない” から

以前、アトピー性皮膚炎は ”なかなか治らない疾患” の代表格でした。

でも、現在はアトピー性皮膚炎の病態の解明が進み、多くの患者さんが寛解(お薬が必要ない状態)を目指せるようになりました。

治癒・寛解を目指せるようになった1番の理由は、新薬が開発されたからではありません。『塗り薬の塗り方、塗る量』が見直されたからなんです。

アトピー性皮膚炎がなかなか治らないのは、保湿剤を『塗り足りていない』のが1番の原因です

フィンガーチップユニット(Finger Tip Unit, FTU)

昔は塗り薬を塗る量について、明確な基準は存在しませんでした。そのため、同じ薬なのに人によって使用量が全く違うような状態であり、多くの方は ”必要量を塗ることができていない” 状態だったのです。

1991年に英国の医師 C. C. Long先生が初めて外用薬の適量について提唱した概念が『フィンガーチップユニット(FTU)』です。

Fingertip=指先、Unit=単位、『FTU=指先を指標にした単位』 という意味です

マルホ ヒルドイド®︎ホームページより引用

人差し指の先端から第一関節まで(およそ2.5cm程度)をチューブで出した量を『1FTU』と呼び、0.5g程度に相当します。

ローションなど液状のものは一円玉サイズがほぼ同量となります。

1FTU(およそ0.5g)を手のひら2枚の面積に全て使用しましょう

みなさんが想像している量の倍以上かも

全身に使用する保湿剤を例に考えてみます。

マルホ ヒルドイド®︎ホームページより引用

保湿剤を全身に塗る場合、『成人の全身=手のひら80枚程度(体格によって多少変動します)』と言われており、1回に全身に使用する保湿剤は20g必要です。

図表では1日1回塗布の目安量が掲載されていますが、しっかり保湿するためには1日2回塗布が推奨されています。
成人は全身に1日2回、1ヶ月間保湿剤をしっかり塗布すると、20g×2回×30日=1200g必要になります!

マルホ ヒルドイド®︎ホームページより引用

小児では体が小さいので必要量は減りますが、それでも1歳のお子さんで、全身に1日2回、1ヶ月間保湿剤を使用すると、7g×2回×30日=420g必要なんです!

皆さん、これだけの量の保湿剤、しっかりと使い切っていますか??

保湿剤必要量(ざっくり言うと)
小児・・・500g/月  成人・・・1000g/月

1ヶ月に処方できる保湿剤は500gが上限

成人は500gじゃ足りない

成人では1000g以上の保湿剤が必要と書きましたが、残念ながら、1ヶ月で処方できる上限量は長岡市ではおよそ500gまでです。(医療保険を統括する自治体によって差があります)

足りない分の保湿剤は薬局で購入してもらう必要があるのですが、保湿剤を500g購入するのに数千円かかります。薬局で追加購入してまで1ヶ月1000gの保湿剤をしっかり塗っている成人はほとんどいません。

成人のアトピー患者は保湿剤が全く足りない状態なんです。

小児は500gでなんとか足りる

小児は1ヶ月で500gの保湿剤があればまずまず足りる計算です。私の外来に通院されているアトピー患者さんには「1ヶ月で全部使い切るのが適量だよ。」と言って保湿剤(主にヒルドイド®︎)を300〜500g処方しています。

保湿剤の副作用はまれ

アトピー治療には大量の保湿剤が必要になるわけですが、保湿剤(ヘパリン類似物質、ヒルドイド®︎など)にも副作用がないわけではありません。

ヘパリン類似物質保湿剤・ヒルドイド®︎の主成分である『ヘパリン類似物質』には血液をサラサラにして血行を促す効果があります。皮膚の刺激感を感じたり、皮膚が火照ったり、かゆみを感じることがあります。

また、保湿剤に限らないのですが、塗り薬(外用薬)が原因で『接触皮膚炎』という湿疹を起こす場合もあります。

いずれも稀な副作用であり、使用を中止すれば速やかに改善します。
保湿剤を使用していて ”体に合わない” と感じた時は使用を中止して速やかに主治医と相談しましょう!

まとめ
保湿剤の必要量はFTU(フィンガーチップユニット)で考えましょう
全身を保湿するためには、小児では月に300g〜500g程度、成人では500〜1000g程度が必要になります

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にゃっほー

アトピーがなかなか治らないのは保湿剤が塗り足りていないのが一因なんだね!

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

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コメント

    • 匿名希望さん
    • 2021.12.22

    先生、いつもありがとうございます(^^)
    私の娘も、保湿剤を塗っていますが、少ないかなーと思っていながら塗っていた薬の量を見直し、
    しっかり塗るようにしたところ、やっぱりお肌は綺麗になりました!サボるとカサカサポツポツがすぐにでてしまい、やっぱり保湿は大切だなと改めて思いました。今回先生のブログで、ものすごく納得でしたので、コメントさせていただきました(^^)

    • 小柳 貴人
      • 小柳 貴人
      • 2021.12.22

      匿名希望さん、コメントありがとうございます。
      保湿剤自体には炎症を抑える効果はほぼ無いので、皮膚が荒れてくるとステロイド軟膏などの抗炎症剤に頼りがちになりますが、保湿剤で皮膚のバリアを正常に戻さない限りは炎症は繰り返し起こるため、エンドレスな戦いになります。
      保湿って地味〜なんですが、アトピーの完治のために最も大事です。ご理解いただけて嬉しいです(^^)