
にゃほー。
今日も食物アレルギーの話題だよ!

みなさんこんにちは。
今日も「食物アレルギーの教科書」には載っていないマニアックな内容で攻めますよ〜!w
アレルゲン量が同じでも症状の出やすさに大きな違い
食物アレルギーで少量摂取を続けている皆様、日々努力されていることと思います。
『症状が出ない量を見極めて食べさせる』が基本ですので、理論的には症状が出てはいけないのですが、”食べられる量” は日々の体調で大きく変化するため、口周囲の発赤など軽度の症状が出てしまうことはそれなりにあります。
可能な限り ”軽度の症状” も出ないように食べ続けていきたいのですが、安全に食べる練習を続けていく上でみなさんに是非知っておいてほしいことがあります。
それが同じアレルゲン量でも症状の出やすさが大きく違うことです。
牛乳 VS 乳含有食パン
さて、みなさんに問題です!
乳アレルギーのお子さんが、「ホットミルク5mlを飲む」のと「牛乳5ml含有食パンを食べる」のではどちらが症状が出やすいでしょうか?


正解は・・・『ホットミルク5mlを飲むほうが症状が出やすい』でした!
もちろん、牛乳をどの程度加熱するのか等によってアレルゲンの強さは変わってきますが、一般的に他の食材と混ぜて加工された食品は食物アレルギー症状が出にくくなると言われています。これは ”マトリックス効果” などと呼ばれています。
液体の食品は特に注意
加工食品はアレルゲン性が下がると言われていますが、私の臨床経験から、食品が「液体」なのか「個体」なのかによっても症状の出やすさに差があると感じています。
結論から言うと、”圧倒的に液体状の食品のほうが症状が出やすい” です。
口周囲の発赤や口内のイガイガ感
液体状の食品は口周囲の皮膚や口内の粘膜に浸透するため、「口周囲発赤」「口内イガイガ感」が固形物と比べて出やすい印象があります。
腸管からの吸収スピード
また、液体状の食品は腸管からの吸収スピードも早いため、同じアレルゲン量の固形物よりも食物アレルギー症状が出やすくなるだろうと推測しています。
特に小学生以降の食物アレルギー患者さんは「口のイガイガ」などに非常に敏感なため、食品形態による症状の差が目立つようです。「同じアレルゲン量だからきっと大丈夫」とは過信せず、初めて摂取する食品は「症状が出るかもしれない」という気持ちを持って臨みましょう!

何度も言っていますが、食物アレルギーの自宅摂取は主治医とよく相談の上、注意して行うようにしてください。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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