本当に残念な事故が起きてしまったみたい （＞A＜）
日本は完全なる医療崩壊に陥っています
先進国としてあってはならない事故
新型コロナウイルスの感染爆発により、首都圏を中心に医療崩壊がはじまりました。
本来なら入院加療が必要な患者が入院できず、ほとんど無治療で自宅放置（自宅療法とは名ばかりで、点滴すら受けることができない状態）となっている患者が多数発生しています。
重症化して人工呼吸器が必要になった患者も受け入れ先が見つからず、本来は中等症までしか対応しない病院が無理をしながら治療にあたっているケースもあるようです。
こんな悲惨な状況の中、非常に悲しい事故が起きてしまいました。
コロナ感染の妊婦、入院できず自宅で出産 新生児が死亡（朝日新聞）
患者数は欧米のピーク時に肉薄
実は現在の日本の新型コロナウイルスの新規感染者数は、欧米で医療崩壊が騒がれた時期の患者数に肉薄しています。欧米で医療崩壊状態になったときは、『病院の廊下に患者が多数横たわっている映像』が印象的でした。
現在の日本の新規感染者数なら、同じように病院の廊下に患者が横たわっていても不思議ではないのですが、そのような事態が起きている病院は見当たりません。なぜでしょう？
答えは、『満床を理由に患者受け入れを断っているから』です。
海外ではとりあえず病院に搬送されて病室不足で廊下に横たわっている患者が、日本では病院に受け入れてもらえず自宅で寝込んでいるのです。
海外の多くの国では “救急患者受け入れを断ってはいけない” という法律があり、『満床でもとりあえず受け入れざるを得ない』のです。
日本も “応召義務” という法律があるのですが、これは “正当な理由なく患者を拒んではいけない” という法律であり、『満床』や『処置中』を理由に断ることができるのです。
これが、特に都市部で『たらいまわし』が起きてしまう最大の理由です。
今後は制度見直しが必要
私は現在病院勤務医として働いていますが、“どんな患者だろうと受け入れなさい” と言われるのは無理があります。
日本は中小病院が大多数であり、スタッフの数にも限りがあります。重症患者を一人受け入れたらもう『手が足りない状態』になる病院がほとんどです。大病院が多い海外とは状況が違います。
従来なら日本の医療は『保健所制度』や『皆保険制度』など、世界に誇れる制度下で運用されてきました。しかし、残念なことに、新型コロナのような未曾有の疫病には対応しきれないことが露呈されてしまいました。
『医療崩壊』から『医療壊滅』に至らないように、政府には様々な制度見直しをお願いしたいところです。
もう二度とこんな事故は起きてほしくない！
文責； 小柳貴人（アレルギー専門医 ・小児科専門医）
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