新型コロナ

withコロナの時代へ

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にゃっほー

今日は新型コロナウイルス感染症のコラムだよ!

『ゼロコロナ』はもう無理っぽい

デルタ株が出てくるまでは『ゼロコロナ』の希望があった

『ゼロコロナ』『withコロナ』など、今後新型コロナウイルスとどう付き合っていくかについて議論されるようになってきました。

ゼロコロナ
新型コロナウイルスの根絶を目指すこと。
およそ100年前に世界中で大流行したスペイン風邪(超悪性のインフルエンザウイルス)はうまく根絶することができた。新型コロナウイルスでも同様に、世界中からの根絶を目指すプランを一般的に『ゼロコロナ』と呼ぶ

withコロナ
新型コロナウイルスと共に生きていくこと。
世界各国で大流行を繰り返していることから、新型コロナウイルスの根絶は困難と考え、重症者・死亡者を可能な限り減らしながら共存していくプランを一般的に『withコロナ』と呼ぶ

正直、『ゼロコロナ』の方が理想です。世界中から根絶されれば感染を恐れる必要はなくなるし、予防接種も必要ありません。新型コロナウイルス発生前の世界に戻ることができます。

新型コロナウイルス発生当初はほぼすべて国で『ゼロコロナ』を目指したと思いますが、多くの国で “感染の流行が収まってきた頃に次の大流行” を繰り返しており、『ゼロコロナ』は不可能なんじゃないかという見方が強まってきました。

デルタ株の発生で『ゼロコロナ』は困難に

そこにデルタ株の登場です。

デルタ株は新型コロナワクチン(予防接種)の感染予防効果が弱まることがわかってきており、イスラエルやシンガポールなど、国民の8割が2回接種済みの国でも現在大流行となっています。

この現状を見る限り、『ゼロコロナ』を目指すのは残念ながら不可能と考えられます。

RNAウイルスではワクチンの『感染予防効果』が弱まる

麻疹(はしか)や水痘(水ぼうそう)などの『DNAウイルス』という種類のウイルスは、型がほとんど変異することがないため、ワクチンの効果は数年〜数十年続くと言われています。このため、予防接種をしっかり行なっている先進国では麻疹(はしか)は根絶寸前の病気になってきています。

これに対して、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス、RSウイルス、ライノウイルス(一般的な風邪のウイルス)などは『RNAウイルス』という種類のウイルスで、コロコロと変異を繰り返します。毎年違う型が流行るため、型が合致していないとワクチンの効果が弱まることがわかっています。インフルエンザの予防接種をしたのに罹(かか)ってしまうことがあるのはこのためです。

デルタ株以前はワクチンの感染予防効果は良好だった

初期(従来)株、アルファ株、ベータ株など初期に出てきた株に対して、ファイザー社やモデルナ社のワクチンによる感染予防効果は抜群で、9割感染を減らすことができていました。

しかし、デルタ株はワクチンの感染予防効果をある程度すり抜けてしまい、感染予防効果は3〜5割程度まで落ちてしまうと推測されています。

『withコロナ』で経済活動再開へ

RNAウイルスでもワクチンの『重症化予防効果』は抜群

RNAウイルスではワクチンの感染予防効果が弱まるのは前述の通りですが、感染した後の『重症化予防効果』はかなりあります。

従来のインフルエンザワクチンでも、ワクチンの型と流行しているウイルスの型が違ったとしても『重症化予防効果』があることがわかっており、新型コロナウイルスでも同様だと考えられています。

デルタ株ではワクチンの感染予防効果が減弱するようですが、ワクチン2回接種済みの人の重症者・死者はかなり少なく抑えられています

今後はワクチン2回以上接種をして経済活動再開へ

新型コロナウイルスはデルタ株の発生により『ゼロコロナ』がほぼ無理だろうと思われます。今後は感染を完全に防ぐことはできないけれど、ワクチンを2回以上接種で『重症化・死亡』を防いで徐々に以前の世界に戻していくしかないと思います。

ワクチンを打てない人もいる

先天性の免疫不全の病気の方や、ワクチン接種の副反応が心配で接種を拒否される方、乳幼児などはワクチンが接種できません。

今後は経済活動の再開に向けて『新型コロナワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)』を提示した人は旅行して良い、ライブイベントに参加して良いなどの流れになっていきそうですが、こういったワクチン接種ができない人たちをどのように守るかが大きな課題です

ワクチン接種証明書の代わりに『PCR検査陰性証明書』を持ち歩けば良いという話も出ていますが、毎回毎回PCR検査をするのも困難だと思います。

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にゃっほー

経済活動をどうやって再開していったらよいか、考える時期になってきたね。

文責; 小柳貴人(アレルギー専門医 ・小児科専門医)

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