新型コロナ

新型コロナ予防接種、3回目は必要?

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にゃっほー

にゃほー。
今日は新型コロナワクチンの追加接種についての考察だよ!

「ブレイクスルー感染」が増えている

国内の接種可能者のうち、85%が接種

皆さん、新型コロナワクチンの接種は済みましたか?

以前の記事でも特集しましたが、医学的な知見から判断すれば、特別な事情(免疫不全症や宗教的な理由など)がない限り接種すべき予防接種と言えます。

実際に予防接種が進んでいる国では重症者(入院患者)および死者は激減しています。

日本は10月12日現在、1回以上接種が74.7%、2回接種済みが65.8%に達しました。12歳未満が年齢的に接種できないことを考慮すると、接種可能年齢の人のおよそ85%が1回以上接種したことになります。

もともと日本は他の予防接種でも他国と比べてかなり接種率の高い国なのですが、これは驚くべき数字です。接種開始時期は他国に遅れをとった感がありますが、一気に追いつきました。

2回目接種から時間が経つと体内の抗体量が減り、感染しやすくなる

最近、2回接種済みの人に感染してしまう「ブレイクスルー感染」が問題になってきています。

2回目の接種から時間が経過すると、予防接種により体内で作られた抗体(ざっくり簡単に言うと、侵入してきたウイルスを捕まえてくれる警備隊)が減っていきます。時間が経てば経つほど抗体は減っていきます。

ある程度抗体が減ってしまうと、体内に侵入してきたウイルスに対し、すぐには対応できなくなり、感染が起きてしまうのです。

2回接種済みでも『無敵』になったわけではありません。接種済みでも新型コロナ感染者がまだ国内で発生している限り、 ”マスク着用” は必須です。

3回目の追加摂取をすれば抗体量はまた増える

時間が経って抗体が減ってしまっても、3回目の追加摂取をすると抗体量はまた増えます。2回接種後の抗体量よりもさらに多くなります。

理論的には、体内の抗体量が多ければ多いほど、感染予防効果も上がります。そのため、「ブレイクスルー感染」を起こさないために、3回目の追加摂取をした方が良いという意見が出てきました。

実は抗体量が少なくなっても大丈夫

体内の抗体量が減っても重症化予防効果は長期間残存

”抗体量が減ると感染を起こしやすくなる” のはおそらく事実です。

でも、私は抗体量がゼロに近くなっても問題ないと考えています。

なぜなら、現在体の中にある抗体が少なくても、予防接種による『免疫記憶』が残っているからです。

『免疫記憶』が残っていれば感染してもすぐに大量の抗体が作られる

抗体量が少ないと感染はしてしまうのですが、予防接種の『免疫記憶』が体内に残っている限り、感染から数時間以内に大量の抗体が作られます。

すると、ウイルスが体内で大量増殖する前に、新しく産生された抗体が働き、それ以上ウイルスが増えないように戦ってくれます。

大抵の場合、感染してしまっても ”ほぼ無症状”  ”軽症”でおさまります。

『免疫記憶』が残っている = 『抗体を作るための工場』が残っている

『免疫記憶』はおそらく数年間は残っている

新型コロナワクチンの『免疫記憶』がどのくらいの期間残存するのかについてはまだデータがありません。

私はアレルギーの専門家ですが、アレルギー専門医を取得する際にかなり深く免疫について勉強しました。『免疫記憶』のメカニズムを考えると、他の予防接種と同じく、新型コロナワクチンも数年間は『免疫記憶』が残るだろうと推測しています。

結論(私的意見です)

  • 「感染者数ゼロ」を意地でも目指すのであれば、3回目接種を勧める必要あり
  • 「重症者・死亡者が少なければOK」ならば、3回目接種は焦る必要なし

おそらく多くの免疫専門家はこの考えだと思います。あとは政府がどう判断するか次第ですね。

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にゃっほー

抗体が減っても免疫記憶が残っていれば重症になりづらいんだね!

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

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