新型コロナウイルス予防接種の効果について、だいぶデータが集まってきたよ!
ワクチン(予防接種)の効果
『mRNAワクチン』はものすごく高い効果
新型コロナウイルスが最初に見つかってからわずか1年の間に、数種類のワクチンが開発されました。
その中でも、日本で現在主に使用されているワクチンは『mRNAワクチン』と呼ばれる新しいメカニズムを用いたワクチンで、米国ファイザー社とモデルナ社製ワクチンがこれに当たります。このワクチンは他のワクチンと比較にならないほど高い効果があるようです。
アメリカのCDC(疾患対策センター)発表データ 2021.7月
(画像はNHK「サイエンスZERO」)
ワクチン2回摂取済みの人は摂取していない人に比べて、発症数は8分の1、入院や死亡数は25分の1だったことが示されました。
デルタ株に対するワクチンの効果
現在世界中で猛威を奮っているのがインド由来のデルタ株です。感染力がものすごく強く、一度コロナ禍が落ち着きかけた欧米でも再流行の原因となっています。
デルタ株に対してワクチンが効きが悪いのではないかという懸念があり、予防接種を躊躇されている方もいらっしゃるようですが、先日、このデルタ株に対するワクチンの効果のデータが発表されました。
アメリカのCDC(疾患対策センター)発表データ
(画像はNHK「サイエンスZERO」)
確かにデルタ株では感染予防・発症予防効果ともに下がり、一部の方でワクチン接種していても感染する『ブレイクスルー感染』を起こしているのですが、それでも64%の予防効果が見られています。従来のインフルエンザワクチンの感染予防効果が30〜40%程度と推測されていますので、それと比べてもかなり高い感染予防効果です。
ワクチンの副作用については以前の記事で取り上げましたが、アナフィラキシーショックや心筋炎などの重篤な副作用は数万〜数十万接種に1回程度と言われています。これに対し、新型コロナウイルスの累計死亡率は1%を超えています(100人に1人以上亡くなっている)。ワクチンの副作用の危険性はゼロとは言いませんが、新型コロナウイルスに感染してしまうのと比べてどちらが危険かは明白です。
新型コロナウイルスはワクチンでかなり予防ができる感染症です。自分・家族の将来を守るためにも、特殊な事情がない限りワクチン接種をお勧めします。
デルタ株にもワクチンはかなり有効なんだね!
文責; 小柳貴人(アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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