気管支喘息

呼吸器感染症の『後遺症』

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Dr.小柳

みなさんこんにちは。
新型コロナ感染から復活しましたが、ある『後遺症』に悩まされています。

一旦 ”ほぼ完治” したのに『夜間に咳が出る』

新型コロナにかかってしまい、皆さんに大変なご迷惑をおかけしてしまったわけですが、症状としては軽症でした。

  • 38℃前後の微熱(1日だけ)
  • 咽頭痛
  • 鼻汁

いずれの症状も数日で軽快し、抗原検査陰性になるのを確認してから仕事復帰しました。

復帰後しばらくは無症状だったのですが、この数日、夜間に咳が出るんです。

強い呼吸器感染症には後遺症がある

新型コロナ感染症に限らず、強い呼吸器感染症(下気道感染症)には後遺症があります。

中でも、「長引く咳」「呼吸苦」「息切れ」「倦怠感」などは割とよく見られる後遺症になります。

多くの場合、ウイルスは感染後1〜2週間で駆逐され、体内から排除されます。それと同時に感染症状は治っていくのですが、強い感染症でダメージを受けた気道粘膜は非常に過敏になってしまい、「ちょっとした刺激で咳が出やすい状態」が作られることがあります。

この『気道過敏状態』は感染が完治した後も長期間続くことがあり、いわゆる ”喘息” に近い状態です。

『気道過敏』の後遺症がおきやすい感染症

  • 新型コロナウイルス
  • RSウイルス
  • ヒトメタニューモウイルス

などの感染症で『気道過敏』の後遺症を起こす可能性が示唆されていますが、いずれも肺や気管支などの「下気道」に感染を起こすウイルスです。

これらの感染症に罹患後、数ヶ月〜数年にかけて『気道過敏状態』が遷延し、いわゆる ”喘息” に近い状態が形成されることがあります。

喘息治療が効くかも

喘息薬にはいくつかの種類がありますが、いずれも”気道過敏状態を緩和する”効果があります。そのため、呼吸器感染症後遺症の「長引く咳」に効く可能性があります。

RSウイルス感染症にかかった後のお子さんなどで喘息治療を長期間続けることがあるのですが、新型コロナ感染後の「長引く咳」についても同じメカニズムで効く可能性があります。

私自身、あまりにも咳が長引くようなら喘息治療をしてみようかと考えています。

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Dr.小柳

感染中はごく軽症でも、後遺症のほうが重い方もいらっしゃるようです。
いずれにしても『新型コロナウイルス感染症』にはかからないに越したことはありません。

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

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