アトピー性皮膚炎

お風呂に入らないとアトピーが良くなる?!

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にゃっほー

昨日の記事では「体を洗おう!」って言ってたよ。どうゆうこと?

アトピー性皮膚炎の体の洗い方

アトピーは体を強く洗いすぎてはいけない

衝撃的なタイトルをつけましたが、昨日の記事の続きというか補足です。

アトピー性皮膚炎を患っていると、”湿疹を少しでも良くしてあげたい” と考えて、お風呂場で必死になって体を洗ってあげる親御さんが多いです。しかし、これが逆効果になることもあるのです。

アトピー性皮膚炎のお子さんが、風邪や肺炎などで入院すると、数日お風呂に入れない状況になるのですが、大抵の場合、皮膚炎はそれほど悪化せず、逆に『いつもよりも良い』状態になる子もいます。

これはおそらく、普段『洗いすぎている』のかもしれません。

皮脂・サラサラ汗がなくなってしまう

昨日の記事で紹介した通り、全身の皮膚の表面には24時間常に分泌されている『サラサラ汗』が存在し、皮膚を加湿して外敵から皮膚を防御してくれています。

また、皮膚の表面には『皮脂(ひし)』と呼ばれる脂分も常に分泌されており、こちらも皮膚の保湿や防御に大きな役割を果たしています。

体を少しでもきれいにしようと、石鹸を使ってゴシゴシと強く洗うと、この『サラサラ汗』『皮脂』の両方がほとんど取れてしまい、皮膚は無防備な状態になってしまうのです。

再び分泌されるのですが、元の状態になるまで数時間かかることがあります。

脂ギッシュ部は「石鹸」、乾燥部は「石鹸少量〜無し」

石鹸を使用するなということではありません。脂の多いところは汚れが多く、場合によってはマラセチア菌などのカビや雑菌が存在しているかもしれません。しっかりと汚れを落とすのが重要です。

・脂の多い皮膚→石鹸を使用してしっかり洗う
・カサカサの強い乾燥肌→石鹸を少量〜無しで洗う

洗うのは大事ですが、皮膚の防御に関わる『サラサラ汗』『皮脂』を落としすぎないのが大事です。

素手で洗う

ナイロンタオルやガーゼタオル、ブラシなどを使用すると泡立ちも良く、ゴシゴシ強く洗えるのですが、アトピー皮膚はとても敏感で皮膚も脆くなっているので、ゴシゴシ洗いは厳禁です。

しっかり泡立てた石鹸を使用して素手で洗ってあげるのが皮膚を痛めないで洗うコツです。

洗った後は必ず保湿剤!!

洗い方よりも、もっと重要なのが『保湿剤』

優しく洗っても『サラサラ汗』『皮脂』はある程度落ちてしまうため、皮膚の保護剤を補充する意味でも入浴後・シャワー後は早めに『保湿剤』を塗ります。

皮膚炎のある部分だけでなく、全身に『保湿剤』を使用しましょう。とくにカサカサの強いところは特に多めの『保湿剤』を使用します。

:「アトピーは体を洗うな」ということではありません。汚れは落としてください。

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にゃっほー

良かった〜。アトピーだと一生お風呂に入れないのかと思った。。。気をつけて洗って、保湿剤を使用すれば大丈夫なんだね!

文責; 小柳貴人(アレルギー専門医 ・小児科専門医)

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