アトピー性皮膚炎

『かゆみ撃退ガジェット』なるものがあるらしい

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にゃっほー

にゃほー。
今日はアトピーの人注目のガジェットだよ!

アトピーとかゆみ

『かゆみ』はアトピー最大の敵

小児のおよそ10%が罹患していると言われているアトピー性皮膚炎ですが、最も困る症状はなんだと思いますか?

答えは・・・『かゆみ』です!

もちろん皮膚炎による皮膚のただれなど、『見た目』の問題もあるのですが、アトピー患者さんが口を揃えて訴える最大の困難は『かゆみ』です。「かゆくて眠れない」「無意識に掻きむしってしまう」「掻くなと言われるから叩いている」など、様々な訴えがあります。

アトピー性皮膚炎などの慢性的なかゆみに悩む人たちは、掻けば掻くほどさらにかゆみが増す「かゆみの悪循環」という困った現象に苦しんでいるのです。

かゆい

アトピーの『かゆみ』を抑えるのは困難

今までアトピーのかゆみに対して、抗ヒスタミン剤(主に内服薬)が処方されてきましたが、効果は限定的でありかゆみを消退させるには至りませんでした。ステロイド軟膏等で皮膚炎を抑え込むまで、強い痒みと戦い続ける必要がありました。

近年、NPTX2を代表とするアトピーの痒みの原因物質がいくつか特定され、かゆみの根本的な治療方法の開発が進んでいきそうなのですが、新薬の開発には10〜20年程度かかることが多いです。「そんなに待てないよー」という声が聞こえてきそうです。

皮膚を引っ掻くのは厳禁
先に述べましたが、皮膚を引っ掻くと「皮下のかゆみ物質の増加」「かゆみ伝達神経の興奮」によりさらにかゆみが増してしまうことがわかっています。いくらかゆくても引っ掻きまくるのはやめましょう!

『かゆみ撃退ガジェット』なるものを発見

年末にネット閲覧していたら、『かゆみ撃退ガジェット』なるものが日経TRENDY2024年1月号に掲載されていました。

ガジェットの名は「Thermo Scratch」

プレスリリースより

大阪の企業が昨年発表したガジェットで、プレスリリースによると ”皮膚に温かい刺激と冷たい刺激を同時に与えると、ほんとうはそれほど熱くないのに熱く感じたり、痛みを感じたりすることがあります。これは「サーマルグリル錯覚」と呼ばれる錯触現象です。これを利用すれば、爪で引っ掻いて皮膚を傷付けることなく、かゆみを抑えることができます” だそうです。なんか効きそう。

クラウドファンディングで限定出荷されたのみで市販はされていません。限定出荷が好評なら一般販売に向けて大量生産されるはずですが、もう少し時間がかかりそうですね。あと、重症アトピーだと全身がかゆいので、小さなガジェットだと ”焼石に水” かもしれません。部分的にかゆみが強い人には良いかも。

 

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Dr.小柳

いずれにせよ、もうしばらくは『かゆみ』との戦いは続きそうですね。。。

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

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