新型コロナ

子どもを苦しめる新型コロナ後遺症について、今、わかっていること

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にゃっほー

子どもの新型コロナ後遺症のデータが少しずつ集まってきたよ。

子どもの新型コロナ後遺症

一つだけの研究結果を鵜呑みにしてはいけない

先日の記事でも触れましたが、一つの研究結果や記事を鵜呑みにするのはよくありません。どんな研究や記事にもデータの ”ぶれ” が存在するため、複数の研究結果を吟味するのが重要です。

今日は、子どもの新型コロナ感染症の後遺症について、海外からいくつかの研究報告が出てきましたので、ご紹介します。

新型コロナ感染症で報告されている後遺症

まず誤解の無いように定義しますが、『後遺症』とは『病気が治癒したはずの期間を超えて長期間存在する症状』のことを指します。感染症の場合、病原体がまだ体内に残存しているような時期に出ている症状は『後遺症』とは呼びません。

新型コロナウイルス感染症で今までによく見られる後遺症として、倦怠感、筋肉や関節の痛み、頭痛、不眠、呼吸障害、動悸、味覚・嗅覚異常、脱毛、胃腸障害、吐き気、めまい、幻覚、陰嚢痛など、様々な症状が報告されています。

しかし、子どもも含めて最も多い後遺症は『ブレインフォグ(霧がかかったように頭の中がモヤモヤする症状)』のようです。これは複数の国からいくつかの報告があり、確かなようです。

子どもの新型コロナ感染で後遺症が残る確率

いくつかの研究報告が出てきましたが、結果はまちまちです。

  • イタリアー子どもの新型コロナ感染から2ヶ月後に何らかの症状がある:42%
  • イギリスー子どもの新型コロナ感染から5週間以上経過しても何らかの症状がある:10〜13%、12週間以上経過しても何らかの症状がある:7〜8%
  • オーストラリアー子どもの新型コロナ感染から3〜6ヶ月後に何らかの症状がある:8%、その後しばらくして全例が回復した
  • イギリスー子どもの新型コロナ感染から1ヶ月以上症状が続いている:4.4%、2ヶ月以上続いている:1.8%

2ヶ月以上経過しての後遺症は、多い報告で42%、少ない報告で1.8%です。これほど差があるのは、研究方法や国の違い、対象となった児の人数の違いなど、様々な要因があります。

上記以外にもいくつかの『子どもの新型コロナ後遺症』の報告がありますが、”2ヶ月経過した時点で何らかの症状がある” のは、およそ10%前後という報告が多いようです。

後遺症の診断と治療

今のところ、新型コロナ後遺症の検査は存在しません。本人の訴え(自覚症状)から診断します。

治療も対症療法のみであり、頭痛があれば鎮痛剤、吐き気があれば制吐剤が処方される程度です。根本的には自然に軽快するのを待つしかありません

ワクチン接種で新型コロナ後遺症は予防できるか

新型コロナワクチンは『感染する確率を下げる』、『感染してしまっても重症になる確率を下げる』のは間違いありません。しかし、後遺症を残す確率を下げるかどうかは今のところわかっていません

まとめ
いくつかの研究報告が出てきましたが、子どもの新型コロナ後遺症について確定的なデータは今のところ存在しません。ただ、子どもの感染者の10%前後が感染から2ヶ月経過しても何かしらの症状を訴えているという報告が多いようです。
後遺症については検査や治療法が確立されていないため、自然に回復するのを待つしかありません。

文責; 小柳貴人(アレルギー専門医 ・小児科専門医)

 

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