食物アレルギー

手のひらのシワが多いと卵アレルギーになりやすい

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にゃっほー

にゃほー。
”手のシワ”と”卵アレルギー”って関係あるの!?聞いてみよう!

手のひらのシワが多いと卵アレルギーになりやすい!?

2019年に発表された論文より

Palmar hyperlinearity in early childhood atopic dermatitis is associated with filaggrin mutation and sensitization to egg, Fukuie T, et al. Pediatric dermatology 2019 Mar;36(2):213-218.

2019年に発表された論文です。

タイトルを直訳すると、『幼児期のアトピー性皮膚炎における ”手掌のシワの過形成” は、フィラグリン変異と卵の感作に関連する』となります。何を言っているのか分かりづらいですね^^;

語弊があるかもしれませんが、意訳すると、『アトピー性皮膚炎と診断された子どもで、手のひらのシワが多いほど ”皮膚の保湿に関連する遺伝子の異常” と ”鶏卵アレルギー”の可能性が高い』となります。

ここで言う ”手のひら” とは、親指の付け根部分(母指球)のことです。

アトピーが重症なほど皮膚のシワが深くなる

アトピー性皮膚炎が重症なほど、皮膚のバリアが破壊されており、乾燥肌が強くなることが知られています。

乾燥肌が強いほど、皮膚のシワが増え、彫りも深くなります。

”母指球のシワ” は皮膚バリアの異常を観察しやすい場所と言えそうです。

手のひらのシワが多い → アトピーが重症 → 皮膚バリア崩壊 → 経皮感作が起こりやすい → 食物アレルギーになりやすい

皮膚のバリアが崩壊していると、食物アレルゲンが皮下に侵入し、「異物」として感知することで食物アレルギー体質が作られてしまう『経皮感作』については以前の記事で何度も取り上げました。食物アレルギーの過去の記事をご覧ください。

今回の論文からわかったことをまとめると、

手のひらのシワが多い → アトピーが重症 → 皮膚バリア崩壊 → 経皮感作が起こりやすい → 食物アレルギーになりやすい

ということになります。

遺伝子検査は簡単にはできないが、手のひらの観察は簡単にできる

アトピー性皮膚炎の発症に関与する遺伝子異常(フィラグリン遺伝子異常など)は専門の研究室でしかしらべることができません。クリニックや一般病院などで簡単に調べることはできないんです。しかも保健適応外なので、検査費用が結構かかります。

今回の、「手のひらのシワを見る」というのは簡単にできます。

”検査に頼るんじゃなくて、患者さんをよく観察しましょう!” ということですね!! 心に留めておきたいと思います。

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にゃっほー

おいらには「手のひら」が無い・・・

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

 

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