にゃほー!
保湿剤に関する記事が続いたけど、全部読んでくれたかな?今日も保湿剤についての追加情報だよ!
皆さん、”アトピー性皮膚炎では保湿剤が最も重要” ということについて、この数日集中的に書いていますがお読みいただけましたか?
そろそろ他の話題でも良いのですが、『保湿剤』について理解を深めるのは ”アトピー性皮膚炎の完治” を目指すために一番重要なことなんです。ここは一気に学んでしまいましょう!
モイスチャライザーの種類
前回の記事のおさらい
- 保湿剤には油のみの『エモリエント』と、油と保湿成分を合わせた『モイスチャライザー』の2種類が存在する
- 同じ量、同じ回数で塗布した場合、一般的に『モイスチャライザー』のほうが保湿効果が良い
- 『モイスチャライザー』の代表薬は「ヘパリン類似物質系保湿剤(ヒルドイド®︎等)」や「尿素系保湿剤(ウレパール®︎等)」
- どんな保湿剤を使用するにしても、ヌルヌルするくらい、たっぷり塗るのが重要
実はモイスチャライザーの中にも種類があります
アトピー性皮膚炎の治療に最も良く処方されている保湿剤が『ヘパリン類似物質系保湿剤(ヒルドイド®︎等)』です。
この『ヘパリン類似物質系保湿剤』にも種類があるんです!
昔から発売されているヒルドイド®︎を例に解説します。
ヒルドイド®︎の種類
マルホ製品サイトより
- ソフト軟膏 油分の多い『軟膏』タイプです。ベトベト感が一番強いです。
- クリーム 油分の中に水分を含む『クリーム』タイプです。軟膏より伸びが良いです。少しペトペトします。
- ローション 水分の中に油分を含む『ローション』タイプです。液状でピタピタした塗り心地です。
- フォーム ほぼ水分の『フォーム(泡)』タイプです。サラサラして塗りやすいですが、ひんやり冷たいです。
上から、”ほぼ油→油多・水少→油少・水多→ほぼ水” です。
いずれの製品も保湿成分は同程度の濃度で含んでいますが、油分と水分の比率に大きな差があります。
水分が多いと”伸び”が良くサラサラして塗りやすい
油分が多いと”皮脂膜補充効果”が高く、保湿効果が良い
季節によって使い分けるのが吉
塗り心地がだいぶ違うので、好みは分かれると思いますが、一般的には ”季節によって使い分けると良い” と言われています。
汗をかきやすい夏は、サラサラしている『ローション』か『フォーム』
室内の湿度が低く乾燥しやすい冬は、保湿効果が高い『軟膏』か『クリーム』
皆さん、上手に使い分けてくださいね!
処方する際に『希望の剤形』を教えていただけると嬉しいです。
毎回毎回、当たり前のように処方される保湿剤だけど、奥が深いんだね。季節によって剤形を使い分けるのが良いんだって!
文責; 小柳貴人(アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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