にゃほー!
『アレルギーと遺伝』シリーズ再開だよ!
アレルギー性鼻炎・結膜炎は遺伝するのか
国民の半数がアレルギー性鼻炎・結膜炎に罹患している
※アレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎は原因もほぼ一緒であり、同時に罹患することが多いため、一つの病気として扱います
今や “国民の2人に1人がアレルギー性鼻炎(花粉症含む)” と言われています。皆さんにも鼻炎持ちの方が結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。
今日はアレルギー性鼻炎・結膜炎は遺伝するのかどうかについて解説します。
アレルギー性鼻炎結膜炎の定義
アレルギー性鼻炎・結膜炎とは、ダニ・ハウスダストや花粉、動物の毛・フケなどのアレルゲンが鼻や眼の粘膜に付着して鼻炎・結膜炎を起こす病気と定義されます
アレルギー性鼻炎・結膜炎は引き金になるアレルゲン(アレルギーの原因物質)が必須ですので、風邪などの感染症による鼻汁・鼻閉などは当然当てはまりません。
アレルギー性鼻炎・結膜炎に直接強く影響する遺伝子は見つかっていない
アレルギー性鼻炎が親子で遺伝するかどうかについて、結構古くから研究報告が出ているのですが、あまりはっきりしないんです。
というのはどの研究報告も、「この遺伝子変異があると少しアレルギー性鼻炎になりやすくなるみたいだ」という報告ばかりで、確定的な遺伝子が見つかっているわけではありません。
アレルゲンによって遺伝の影響が違うかもしれない
ここから先は私の見解になるのですが、アレルギー性鼻炎・結膜炎は原因になるアレルギー物質(アレルゲン)によって遺伝の影響に差があるのではないかと考えています。
ダニ・ハウスダスト
ダニ・ハウスダストアレルギーは前々回のブログ記事『アレルギーは遺伝するのか:気管支喘息』に書いた通り、アトピー性皮膚炎を発症するとなりやすいことがわかっています。
アトピー性皮膚炎はかなり遺伝が影響します。
気管支喘息と同じく、”アトピーの体質が遺伝→アトピーを発症→ダニ・ハウスダストに対するアレルギー感作→ダニ・ハウスダストによるアレルギー性鼻炎・結膜炎を発症” という流れがありそうです。
花粉症、動物
花粉症や動物のアレルギーにはアトピー性皮膚炎の体質の有無はあまり影響しないことがわかってきました。
花粉症や動物アレルギーになりやすい遺伝子なども見つかっておらず、おそらく遺伝の影響はあまりないと推測されます。
結論:
ダニ・ハウスダストによるアレルギー性鼻炎・結膜炎はアトピー性皮膚炎を発症するとなりやすい
アトピー性皮膚炎はかなり遺伝の影響が強く、そう言った意味では『遺伝の影響はある』と言える
花粉や動物が原因のアレルギー性鼻炎・結膜炎には遺伝はあまり影響しないと推測される
『アレルギーは遺伝をするのか』シリーズ完!
”じんましん” については近いうちにまとめる予定だよ!
文責; 小柳貴人(アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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