にゃほー。
最近の研究で「赤ちゃんにジュースを飲ませるのは控えめにした方が良い」ということがわかったみたい。紹介するよ!
『赤ちゃんにジュース』は悪影響の方が大きい
原論文
Predictors of Age at Juice Introduction and Associations with Subsequent Beverage Intake in Early and Middle Childhood,, Volume 151, Issue 11, November 2021, Pages 3516–3523, The Journal of Nutrition
乳児期(1歳未満)から果汁100%のジュースや砂糖が添加されたジュース(以下、ジュース)などを与えられた子どもは、小児期に肥満や虫歯の原因にもなり得る甘い飲み物の摂取量が増える傾向にあることが、米国立小児保健・人間発達研究所(NICHD)のEdwina Yeung氏らによる研究から明らかになった。
- 生後6カ月未満でジュースが与えられていた小児では、生後12カ月以降にジュースを与えられた小児と比べて、小児期にジュースの摂取量が多くなるリスクが50%高く、炭酸飲料の摂取量が多くなるリスクが60%高い
- 生後12カ月未満でジュースを与えられた小児では、生後12カ月以降にジュースを与えられた小児と比べて小児期に1日当たりの水の摂取量が少ない(甘い飲料しか飲みたがらない)傾向にある
解説
子どもは『甘味』を強く感じる
まだ味覚が未熟な小児期は『甘味』をより強く感じるそうです。甘味の強い飲料の味を一度覚えてしまうと、甘味の少ない水やお茶を味気なく感じてしまい、飲まなくなってしまうのかもしれません。
果汁100%ジュースには食物繊維はほとんど含まれない
”砂糖を加えたジュースは体に悪いけど、果汁100%ジュースは食物繊維も含まれているし体に良い” と考えている方がいらっしゃるようですが、実際は ”搾ったジュースや濃縮還元果汁には食物繊維は微量しか含まれていません”!!
果実には食物繊維は豊富に含まれているのですが、搾った場合は果汁のみが抽出され、食物繊維はカスとして捨てられます。
ミキサー/ジューサーで果実まるごと入れて作ったジュースなら食物繊維を豊富に含みます。
絞ったジュースや濃縮還元果汁に食物繊維はほとんど含まれない
乳児期に食物繊維を摂るのは大事
近年の研究で、食物繊維は腸内環境を整え、免疫力上昇やアレルギー体質を改善する作用も期待されています。野菜や果物は食物繊維を多く含んでおり、基本的には体に良い食品と言えます。
勘違いしないでほしいのですが、今回の研究は、”果物を食べるな” ということではありません。飲み水がわりにジュースを飲ませまくるのは良くないということです。
子どもにちょくちょく果汁を飲ませるのであれば、せめて1歳を過ぎてから、できればジューサー/ミキサーで果実ごと入れて作ったジュースの方が食物繊維を豊富に含むので良いと思います。
まとめ
1歳未満の乳児にジュースを頻回に飲ませると、その後に肥満や虫歯のリスクが上がる
ジュースの味に慣れてしまうと水やお茶などを飲みたがらなくなる
どうしてもジュースを飲ませたいなら1歳以上になってからが推奨
食物繊維を摂取することは大事なので、『生搾りジュースより果実丸ごとジュース』
子どもは『甘いもの』が大好きですよね。でも、乳児期に『甘いもの』を摂りすぎるのはあまり良くないかもしれません。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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