アレルギー全般

いつまでエピペン®︎所持を続ける必要があるのか?

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にゃっほー

にゃほー。
今日はエピペンを処方されている方向けの記事だよ!

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Dr.小柳

エピペンを処方されている皆さんは「いつまでエピペンを持ち続ける必要があるの?」という疑問を抱いているかと思います。本日はその疑問に答えようと思います。

エピペンについて

エピペン処方は ”アレルギー症状で命を落とす危険性があるから” 

まず大前提として、エピペンは ”アレルギー症状で命を落とす可能性がある” と医師が判断した人に処方されます。

じんましん・咳/呼吸苦・腹痛・ぐったり(ショック症状)などの複数の症状が同時に出現するアナフィラキシー症状(全身におよぶアレルギー反応)が出たことのある人に処方されることが多いのですが、アナフィラキシーを起こしたことがない場合でも、アナフィラキシーを起こす可能性が高いと判断されれば処方されます。(例えば、牛乳1滴程度で重度のじんましんが出現、多量に摂取すれば高い確率でアナフィラキシー症状出現が予想される場合など)

アレルギーの原因は人それぞれで、食物アレルギーだったり、ハチ刺されアレルギーだったり、薬剤アレルギーだったり。実は、アナフィラキシーを起こした人の数%は原因不明だったりします。どんな原因でも、「今後アレルギー症状で命の危険がある」と判断されればエピペンを処方されます。

エピペンを適切に使用できれば命が助かる可能性がUP

「ハチ毒アレルギー」の方が、ハチに刺されてアナフィラキシー症状が出てしまった時に『エピペンを適切に使えたかどうか』で死亡率が大きく変化したという報告があります。

エピペンは注射薬で即効性があり、アレルギー症状で最も怖い症状である『致死性低血圧』を防ぐ役割があります。

食物アレルギーなどのハチ毒アレルギー以外のアレルギーでも、エピペンの適正使用により死亡率をかなり減少させることが期待できます。

エピペン

エピペンはいつまで(何歳まで)持ち続ける必要があるのか

エピペンの所持は ”アレルギーで命を落とす可能性がほとんどなくなる” まで

エピペンを長期間所持されている方は皆さん疑問に思っていると思いますが、エピペンは ”アレルギーで命を落とす可能性がほぼゼロ” まで持ち続けていただきます。

食物アレルギーなどは成長に伴って徐々に軽快する場合もあり、「幼児期にアナフィラキシーを起こしてしまったけれど、10歳くらいになったら普通に食べることができるようになった」という状況はよく経験します。この場合はアナフィラキシーで命を落とす可能性がほとんどなくなったと判断し、エピペンの所持を終了とします。

これに対し、ハチ毒アレルギーなどでは年数が経過してもアレルギー体質が改善したかどうかの判断が難しく、今後いつハチに刺されるかも予測ができないため、エピペンを長期間所持し続けることが多いです。

『エピペン終了』の判断は主治医(できればアレルギー専門の医師)とよく相談して決める

「エピペン所持を終了するか」どうかは自己判断してはいけません。かかりつけ医とよく相談して、”アレルギーで命を落とす可能性がほぼゼロになったら”  エピペン所持の終了時期を判断しましょう。

一番判断が難しいのは、食物でもハチ刺されでもなく、普通に生活していたら急にアナフィラキシーが起こってしまったという『原因不明のアナフィラキシー』です。

何が引き金でアナフィラキシー症状が出たのか全くわからないので、「今後アナフィラキシーを起こす可能性があるかどうか」という判断が困難です。このような場合には「いつまでエピペン所持を続けるのか」の判断が本当に難しいです。

多くは主治医の匙加減になってしまうと思います。「10年以上アナフィラキシーの再発がなかったからエピペン所持終了」などざっくりした判断をされるかもしれません。

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Dr.小柳

『エピペン所持を終了するかどうか』は命に関わる判断ですので、自己判断しないでください。主治医としっかりと話し合いましょう!

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

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