にゃほー。
小麦アレルギーの人はみんな疑問に思っているみたい。
小麦と大麦
同じイネ科穀物の小麦と大麦。どちらも見た目はそっくりですが、性質には大きな違いがあります。
小麦は粉にして水でこねると強い弾力性が生まれます。この性質を利用して、うどんやパンなどもちもちとした食品が出来上がります。
これに対し、大麦は吸水性が高く、粒のまま炊いたり茹でたりして食されることがあります。
小麦の成分
小麦は主に「グルテニン」と「グリアジン」という2つのタンパク質で構成されているのですが、小麦粉を水でこねるとこの2つのタンパク質が複雑に絡み合って「グルテン」が生成されます。
小麦アレルギーの人の多くは、この「グルテン」がアレルギーの原因物質(アレルゲン)です。
注)水でこねないで小麦粉のまま食べても、体内の水分と反応してグルテンは生成されてしまいます
大麦の成分
大麦の主要なたんぱく質は「グルテリン」と「ホルデイン」です。小麦に含まれるタンパク質とは組成が大きく違い、粉にして水でこねても「グルテン」はほとんど生成されません。
そのため、小麦アレルギーの人の大多数は大麦を食べることができます。
まれに『両方ダメな人』がいる
じゃあ、”小麦アレルギーの人は大麦を食べても絶対に大丈夫か” というと・・・残念ながらごく一部の人はダメなんです。
大麦の一部のタンパク質が小麦の一部のタンパク質と分子構造が似ており、このタンパク質が原因の食物アレルギーの人は「小麦」でも「大麦」でもどちらも症状が出てしまいます。
この”別の食品で似た構造のタンパク質に反応してしまうこと” を交差抗原性(こうさこうげんせい)と言います。
血液検査である程度は推測できるが・・・
大麦特異的IgE検査などの数値から、大麦が食べられそうかダメそうかはある程度 ”推測” はできます。あくまでも ”推測” です。
検査値が低くても症状が出てしまう人が稀にいらっしゃるので、「100%大丈夫」とは言えないのがもどかしいところです。
なかなかマニアックな分野なので、心配な方はアレルギー専門のドクターに相談しましょう。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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