非常に残念な記事を発見しました。。。
日本から発表された「科学研究論文」が激減
まずはこちらの記事を御覧ください。
科学の注目論文 日本の国際的地位さらに低下 過去最低
Yahoo! Japanのトップページに掲載された記事です。
日本から発表された科学研究論文数が、調査開始以来最低を記録したようです。
本当に残念でなりません。
高度経済成長期〜バブル期には日本の科学研究は世界トップレベルだった
1980年頃〜2000年頃まで、日本の科学研究は世界でもトップレベルの実力があり、研究論文の数もトップ争いを演じていました。
しかし、2000年代に突入すると、じわじわと順位を下げ、先日の発表では世界10位まで後退してしまいました。
今の日本は圧倒的に『研究費不足』
私も大学院に通って科学研究を行い、『博士号(医学)』を取得した研究者の端くれです。
研究に携わってわかったことは、「日本では研究用資金の確保がかなり難しい」ということです。
「病気のメカニズムを解明したい」とか「きっとこの治療法は効果がある」とか、様々なアイディアを持っていたとしても、それを実証するためには科学研究を行って証明する必要があります。
科学研究には試薬や検査費用など、かなり多くの費用がかかります。簡易的な研究でも数十万円、大規模研究になると億単位の研究費用使用されることもあります。
科学研究の費用はどこから出るのかというと、まず科学研究費補助金(通称、科研費)で、文部科学省と日本学術振興会が資金源。 次に民間助成金で、様々な助成財団があります。
日本が経済成長期で好景気だった時代には科研費も民間助成金も潤沢だったのですが、バブル崩壊後から徐々に景気が悪くなり、現在では科研費も民間助成金もピークの時の数分の1まで減額されているようです。
このままではノーベル賞を取れる人がいなくなってしまう
日本は今まで科学研究(物理学、生物学、化学、医学など)の分野でトップレベルを走っていたため、2〜3年おきにノーベル賞受賞者を輩出していました。
しかし、近年の日本人受賞者は海外に籍をおいて研究している方が多く、いかに大規模な研究が国内で行うことができていないかを物語っています。
このままではいずれ日本人のノーベル賞受賞者がいなくなってしまうかもしれません。
不景気なので研究費にまわすお金が無いのは仕方ないことですが、世界に先駆けた技術を開発していかなければ景気もなかなか上向いていかないかもしれませんね。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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