長岡市で “食物アレルギー研修会” を行っているみたいだよ!
長岡市では毎年食物アレルギー研修を行なっています
小中学校の先生、園の先生、児童館の方々が参加
長岡市では2013年から、小中学校の先生、保育園・幼稚園の先生、児童館職員の方々などを対象に、食物アレルギーの研修会を行っています。
長岡市のほぼ全ての学校・園施設から参加していただいており、毎回数百人規模での研修会です。
2012年に東京都で給食中が原因の非常に痛ましい食物アレルギー事故があり、全国で学校給食での食物アレルギー事故を防止しなければいけないという機運が高まりました。
長岡市はとくに早い対応で、教育委員会が中心となり、長岡市医師会に働きかけてこの研修会が実現しました。
私が群馬大学でのアレルギー研修を終えて長岡市に戻り、アレルギー専門医の資格を取得したばかりの絶妙のタイミングで、この研修会の講師のご依頼をいただきました。
食物アレルギーの予防、事故発生時の対応を学ぶ
実は給食での食物アレルギー事故はかなり頻繁に起きています。
厚生労働省による全国調査で、3割以上の園施設が『1年に1回以上、誤食(食べさせてはいけないものを提供してしまう)事故を起こしている』という衝撃の結果が発表されました。
実際に症状が出てしまうのは誤食事故の一部なのですが、かなりの頻度で誤食事故が起きてしまっていることがわかります。
研修会では、
- 誤食事故をどう防ぐか
- 誤食事故が発生してしまった時の対応(治療薬使用や救急搬送の目安など)
- エピペン®︎の正しい使い方
などをしっかりと学んでいただいています。
年2〜3回、毎年開催
2013年の初年度から、毎年2〜3回ペースで行っています。
全国的にもこれだけ定期的に、しっかりと研修会を行っている自治体はほとんど無いようです。本当に素晴らしいことだと思います。子どもの健康を守りたい小児科医としては企画してくださっている教育委員会の方々には感謝しかありません。
明らかに事故は減ってきている
この研修会が始まってから、かれこれ10年が経過しました。
研修会発足当初は年に市内で10件以上の誤食事故が起きたり、アナフィラキシー(強いアレルギー反応)で危険な状態に至る例もありましたが、ここ数年は明らかに事故件数が減り、重症に至る例もほとんど見られなくなりました。
これは、研修会の効果だけでなく、教職員の皆さんの努力によるものだと思います。
食物アレルギー事故ゼロを目指して
長岡市は全国でも有数の『食物アレルギー対策を頑張っている自治体』なのは間違いありません。
今後も『食物アレルギー事故ゼロ』を目指して、学校・園・児童館関係者・医療機関は連携して頑張っていきたいと思います。
文責; 小柳貴人(アレルギー専門医 ・小児科専門医)
コメント