みなさんこんにちは。
最近は汗でアトピーが悪化している人も多いみたいです。今日はアトピーの ”かゆみ” についての記事です。
アトピーの『かゆみ』
アトピーがなかなか治らないのは『かゆみ』のせい
アトピー患者さんにとって『かゆみ』は最大の敵と言って過言では有りません。
かゆみで皮膚を引っ掻くことで皮膚炎が持続し、悪化することがわかっています。逆に、まったく引っ掻かない部位の皮膚炎は早期に治りやすいとも言われています。
アトピー治療では ”『皮膚のかゆみ』をいかに抑えるか” というのがかなり重要なのです。
ついに『かゆみ』の主なメカニズムが判明!
まずはこちらの記事をどうぞ。
アトピー患者に光 かゆみの原因を発見 佐賀大や富山大の研究チーム 10年を目標に新薬の実用化目指す(東京新聞)
アトピー性皮膚炎患者さんにとって最大の悩みである『かゆみ』について、今までも多くの研究がなされてきました。
しかし、「どうしてかゆみが発生するのか」「どうやったら痒みが治まるのか」という疑問に対して確定的な答えが見つけられていませんでした。
抗ヒスタミン剤の「かゆみ抑制効果」は限定的
アトピー性皮膚炎患者さんの多くは ”かゆみ止め” として抗ヒスタミン剤の内服薬を処方されたことがある人も多いのではないかと思います。
実際に服用した人の感想は「少しだけかゆみが治まる気がする」「全然効いている気がしない」などがほとんどであり、お世辞にも『かゆみが抑えられている』という状況には至っていませんでした。
アトピーの痒みにはヒスタミンという物質が関与しているのは間違いないのですが、それだけが原因ではないということです。
今回の発見は期待できそう
今回の発見では、かゆみを感じる神経(知覚神経)がかゆみを感じる仕組みが判明しました。
かゆみに関連する様々な化学反応の最後の部分が解明されたことで、今までに無かった『劇的に効くかゆみ薬』が開発される可能性が出てきました。
しかし残念なことに、これから新薬を開発するとなると、順調に開発できたとしても10年程度の年月がかかります。こればかりは気長に待つ必要がありそうです。
”不治の病”的な扱いだったアトピー性皮膚炎ですが、かなり光が見えてきている感じですね。早く新薬が開発されるのを願います。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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