みなさんこんにちは。
夏休みも残りわずかですね。今日は夏休みらしく『昆虫』のアレルギーについて解説します。
昆虫アレルギー
昆虫にもアレルギーはあるのか?
犬や猫などに近づくと目が痒くなったり鼻水が出たりする方がいます。これは動物アレルギーなのですが、毛の長い哺乳類のほとんどはアレルギーの原因になり得るようです。
それでは、『昆虫』にアレルギーはあるのでしょうか?
正解は・・・”あるにはあるけど、犬猫とは違う” です。
昆虫アレルギーの種類
犬や猫などの動物アレルギーは、動物の毛やフケなどを吸い込んだり、目の粘膜に付着することで症状が出ます。これに対し、体毛がわずかしかない昆虫では毛やフケのアレルギーは報告されていません。
昆虫に関するアレルギーは大きく分けて3種類!
ハチやアリなど『針毒』に対するアレルギー
ハチなどに刺された場合にまれに全身の強いアレルギー症状(アナフィラキシー症状)を起こすことがあります。スズメバチが有名ですが、一部のアリにも毒針を持つ種類がおり、アナフィラキシーを起こすことがあります。
ガ、ゴキブリ、ユスリカなど『フンや死骸』に対するアレルギー
ガやゴキブリ、ユスリカなどのフンや死骸がアレルギーの原因になることが知られています。吸い込むと鼻汁・鼻閉・咳などの症状が出ます。ダニのアレルギーもこれに類似するアレルギーです。(注:ダニはクモの仲間で昆虫ではありません)
昆虫食アレルギー
最近は『昆虫食』が密かに流行っていますが、昆虫食にもアレルギーがあることがわかってきました。
昆虫の多くは外骨格を持っており、同じく外骨格を持つ甲殻類(エビ・カニ)と近い成分を有しているようです。甲殻類アレルギーの方が『昆虫食』でアレルギー症状を発症した報告なども出てきました。
「カブトムシなどを飼ってアレルギー発症」はほとんどなさそう
夏休みでカブトムシ採集などしたお子さんもいらっしゃると思いますが、カブトムシやクワガタなどを飼っていてアレルギー症状が出てしまうことはほとんどないようです。
素手で掴んでも特に症状が出るようなことはなさそうですのでご安心ください。
私は『昆虫食』をする勇気がありませんが、どうやら食物アレルギーの可能性があるようですのでお気をつけください!
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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