院長の日記

成人の食物アレルギーってだれが診るの?

https://i0.wp.com/oyanagiallergyclinic.com/wp-content/uploads/2021/10/ym196966341910114216315.png?fit=256%2C256&ssl=1
Dr.小柳

みなさんこんにちは。
本日も学会に参加です!

移行期医療

移行期医療とは

一般的に15歳までのすべての内科的疾患は『小児科』が診療します。

15歳を超え、高校生になったタイミングから『内科』『耳鼻科』『皮膚科』『眼科』など、疾患に応じた個別の科が引き継いで診療をする形態となっています。

アレルギーに限らず、すべての慢性疾患でこの小児から成人への移行期の医療をどうやってスムーズに引き継ぐのか、 “移行期医療” というのが問題となっているのですが、とりわけアレルギー疾患はこの移行期医療がかなり難しい問題となっています。

成人の食物アレルギーって何科?

みなさんご存知かもしれませんが、アレルギー体質があると「アトピー性皮膚炎」「食物アレルギー」「アレルギー性鼻炎」「気管支喘息」等々の複数の疾患に罹患する方が多いです。

一般的な小児科受診年齢の15歳を超えると、アトピーは皮膚科、アレルギー性鼻炎は耳鼻科、気管支喘息は呼吸器内科が引き継ぐのですが、『成人の食物アレルギー』だけが診療してくれる科が無いんです!!

今回の学会でもこの “成人の食物アレルギーはだれが診療するのか問題” が大きく取り上げられました。

学会で意見を述べた

今回の学会で『アレルギー疾患の移行期医療』をテーマにディベートが行われたのですが、全国的にも珍しい”成人のアレルギーも対応しているクリニック” として、おやなぎアレルギークリニックの現状や問題点や、「成人の食物アレルギーは食物アレルギーの研修をしっかりと行なった小児科医が成人後も引き続き診療すべき」という意見を述べてきました。

今まで成人の食物アレルギーが少なかったため,小児科以外の科では食物アレルギーの研修はほとんど皆無です。研修したことがない医師が重症の食物アレルギー患者の診療をするのは困難です。

様々な意見があるかもしれませんが、最近は重症の成人食物アレルギーが増えてきており、早いうちにこの「移行期医療」問題を解決しないと命に関わる患者さんが増えてしまうかもしれません。

https://i0.wp.com/oyanagiallergyclinic.com/wp-content/uploads/2021/10/ym196966341910114216315.png?fit=256%2C256&ssl=1
Dr.小柳

著名な先生方の前でしっかりと意見してきましたよ!

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

クリックで『いいね!』 (4 いいね!)

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。