食物アレルギー

米アレルギー

https://i0.wp.com/oyanagiallergyclinic.com/wp-content/uploads/2021/10/ym196966341910114216315.png?resize=256%2C256&ssl=1
Dr.小柳

みなさんこんにちは。
昨年から続くお米の急激な高騰により ”令和の米騒動” と言われていますが、何が起こっているのでしょうかね。。。
今日は米騒動についてではなく、アレルギー専門医らしく『米アレルギー』について考察してみたいと思います!

米アレルギー

みなさん、『米アレルギー』って聞いたことがありますか?

おそらくほとんどの方は「知らない」と答えると思います。
アレルギー専門医である私も未だに出会ったことがないため、みなさんが知らないのも当然かもしれません。

しかし、かつて超重症の食物アレルギー患者さんのごく一部で ”白米(ご飯)を食べるとアレルギー症状が出てしまう” 『米アレルギー』の患者さんが存在するといった噂を聞いたことがあるので気になって調べてみました。

米アレルギーとは

古来より日本人の主食であるお米。
非常に稀ですが、お米に対する食物アレルギー体質の方が存在するようです。

どんな症状が出るのか気になって調べてみたのですが、きちんとまとまっている文献を見つけることができませんでした。一般的な食物アレルギーなら、蕁麻疹、口のイガイガなどの症状が多く、稀にアナフィラキシー(咳や強い腹痛、ぐったりなど)といった症状が考えられますが、「米アレルギー」については症例報告もほとんど見当たりませんでした。

唯一、「精白米による食物依存性運動誘発アナフィラキシーの一例」という文献が1件ヒットしました。

有病率

米アレルギーは非常に稀であり、有病率などの統計学的なデータは見当たりませんでした。

原因アレルゲン

お米は大部分が糖質でできていますが、アルブミンやグロブリンなどの少量のタンパク質を含んでいます。

食物アレルギーは主にタンパク質がアレルゲンとなるため、米アレルギーでもこの少量のタンパク質がアレルゲンとなるのだろうと推測されます。

米品種によってアレルゲン量が異なる可能性

お米には「うるち米」「もち米」「陸稲(おかぼ)」の3種類が存在し、「うるち米」はさらにコシヒカリやあきたこまち、ひとめぼれなど様々な銘柄が存在します。

それぞれの銘柄で含有している成分が少しずつ異なっており、含有しているタンパク質も少しずつ異なる可能性があります。

もしかしたら米品種によって米アレルギーの発症しやすさが異なるかもしれません。

対処法

Aーカットごはん

実は米アレルギーは20年以上も前から存在が指摘されており、米アレルゲンを除去した『Aーカットごはん』というお米がすでに存在しています。

現在確認できるのは越後製菓さんより販売されている「A-カットごはん」で、米に含有されるアルブミンやグロブリンを95%カットしたものだそうです。1パック300円台で購入できるようです。

越後製菓ホームページより引用

今回、「米アレルギー」について調べてみましたが、非常に稀な疾患のため、詳細がわかる文献を見つけることができませんでした。
私が医者になったばかりの頃にはすでに「米アレルギー」というワードが存在していたのですが、実際に出会ったことがありません。日本人の主食である ”お米” に対する食物アレルギーは普段の生活がかなり困難になることが予想されます。

https://i0.wp.com/oyanagiallergyclinic.com/wp-content/uploads/2021/10/ym196966341910114216315.png?resize=256%2C256&ssl=1
Dr.小柳

米アレルギーについて詳しい方がいらっしゃいましたらご指導ください。。。

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

クリックで『いいね!』 (2 いいね!)

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。