今日の話題はビデオ通話を用いたオンライン診療についてだよ!
オンライン診療
オンライン診療とは
スマートフォンやタブレット、パソコン、電話などを用いて、病院の予約→診察→処方→決済までをすべて遠隔地から行う診療方法です。
医院や病院に足を運び、医師に直接診察してもらう方法を『対面診療』と呼び、ビデオ通話などの情報通信機器を通して診察する方法を『オンライン診療』と呼びます。
オンライン診療自体は数年前から存在
実は数年前から、離島などの医療機関に乏しい地域などに限り、『オンライン診療』を行うことが許されていました。
また、禁煙外来など、患者さんがほとんど無症状で、会話のみで診察が終了するような一部の診療でも『オンライン診療』が許可されていたのですが、対象はかなり限られたものでした。
コロナ禍で一般診察の『オンライン診療』が解禁!
昨年4月、国は新型コロナウイルス感染症対策として、医療機関受診による感染防止のため、一時的に特定の医療機関で、電話やスマートフォン等の情報通信機器を利用した診療(オンライン診療)について、初診を含む診療、薬局の服薬指導等を認めました。
これにより、風邪などの急性疾患での受診や、心臓病・腎臓病・糖尿病などの慢性疾患の定期通院に対しても『オンライン診療』が許可されたことになります。
実際は『オンライン診療』を導入した施設は少なかった
『オンライン診療』は患者さんが自宅に居ながら診察を受けることができ、待ち時間もありません。とくに小さいお子さんがいる場合など、移動も不要でとても良いシステムに思えます。
しかし、残念ながら実際に『オンライン診療』を導入した施設はわずかです。
理由は ”『対面診療』よりも診療報酬が安く設定されているから”
簡単にいうと、普通に『対面診療』した方が医療機関の収入が良いのです。
今回の感染爆発で『オンライン診療』の診療報酬の増額へ
8月16日、厚生労働省より各医療機関向けに、この『オンライン診療』を『対面診療』とほぼ同等の診療報酬に引き上げるという通達がありました。
新型コロナウイルスの感染拡大が制御不能になる中、外を出歩く人を少しでも減らしたい、病院や診療所の待合室などでの院内感染を少しでも減らしたいとの思惑からだと思います。
新型コロナが流行してしまい、なし崩し的にOKが出てしまった感が否めませんが、この決定は外来診療を根本からひっくり返すほどのインパクトがあります。
オンライン診療のメリット・デメリット
オンライン診療のメリットとデメリットをまとめます。
メリット
・患者の時間/交通費の節約
・付き添いや送迎者が不要で受診しやすい
・院内感染のリスクを減らせる
デメリット
・診断のための情報量が減る(誤診の恐れ)
・病気の急変に対応ができない
・点滴治療や入院などに対応ができない
オンライン診療も良いことばかりではありません。特に、今すぐ治療が必要な状態に対応ができません。
現時点では ”症状が落ち着いている慢性疾患” をメインの対象として運用するのが妥当といえます。
コロナ禍の状況により『オンライン診療導入』を検討します
現在勤務している立川綜合病院小児科外来では、昨年の全国一律に緊急事態宣言が出た際に、一時的に『電話診療』という形でオンライン診療を行いました。
緊急事態宣言解除とともに一旦終了したのですが、今後、新潟県で再び緊急事態宣言やロックダウンのような外出制限がなされるようであれば再び検討したいと思います。
新クリニックでも『オンライン診療』は状況に合わせて柔軟に対応していきます!
文責; 小柳貴人(アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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