今日は『保湿剤』についての解説だよ!
“アトピー性皮膚炎の完治” のために、鍵となるメイン薬剤は『保湿剤』であり、皮膚が正常化するまで毎日たっぷり塗るのが大事であることを、前回・前々回の記事で述べました。
今日はこの保湿剤について詳しく見ていきます。
『エモリエント』と『モイスチャライザー』
皆さんはどんな保湿剤を使用していますか?
アトピー性皮膚炎で治療中、またはその疑いのあるお子さんはほぼ全例、『保湿剤』が処方されます。また、最近は「赤ちゃんに保湿剤を塗ると良いよ」とあらゆる場所で言われるようになってきており、湿疹ができる前から塗っているお子さんも増えてきました。
一言で『保湿剤』と言っても、ワセリン、ベビーローション、ベビーオイル、ヘパリン類似物質含有保湿剤(ヒルドイド®︎等)、尿素系保湿剤(ウレパール®︎等)、馬油、オリーブオイル、桃の葉オイルなど、様々な製品が『保湿剤』として使用されているようです。
実はこの『保湿剤』、アトピーの完治を目指すための基本薬として、”最適なもの” と “あまりオススメできないもの” があるんです。
保湿剤は大きく分けて2種類あります
日本では上に出てきた薬剤は全て『保湿剤』と呼んでいますが、英語圏では大きく2種類に分けて呼ばれています。
- 一つは『エモリエント』。”皮脂膜を補充するための油” です。
- もう一つは『モイスチャライザー』。”皮脂膜を補充する油” と ”表皮に水分を保つための保湿成分” を足した外用剤です。保湿成分を含有していることから、狭い意味での『保湿剤』はこちらです。
エモリエント
- ワセリン(白色ワセリン®︎、プロペト®︎など)
- 亜鉛華軟膏
- ラノリン
- 流動パラフィン(プラスチベース®︎など)
油そのものであり、皮膚に足りなくなった皮脂膜(皮膚表面の脂の膜)を補充する薬剤です。「油の膜を張って水分の蒸発を防ごう」というものです。
市販薬剤ではありませんが、ベビーオイル・ベビーローション(大抵のものは油脂を含有)、馬油、オリーブオイルなどは油基材ですのでエモリエントの仲間になります。
モイスチャライザー
- ヘパリン類似物質系保湿剤(ヒルドイド®︎、ヘパリン類似物質クリーム®︎など)
- 尿素系保湿剤(ウレバール®︎など)
- セラミド(保険適用薬は無く、薬局で自費で購入、高い)
「水分が減ってしまった表皮内に、真皮や皮下から水分を引っ張ってきて保持してくれる」 ”保湿成分” を含んでいます。
一般的にはモイスチャライザーの方が保湿効果が高い
エモリエントとモイスチャライザーの保湿効果はどちらが良いのでしょうか?
アトピー性皮膚炎乾燥肌のある2〜6歳の小児251人を対象とした研究で、「モイスチャライザーのみ塗る人」と「エモリエントのみ塗る人」に分け、28日後に皮膚の乾燥度合いを比べた研究があります。
結果は、「モイスチャライザー」を塗ったグループの方がより保湿されており、皮膚の状態もより改善したとのことです。
アトピー性皮膚炎の皮膚内はすでに水分が抜け切っており、エモリエントで蒸発を防ぐはずの水分すら無い状態なのかもしれません。
保湿効果だけを比べればモイスチャライザーに軍配が上がりますが、エモリエントの方が安価ですので、大量に使用しやすいかもしれません。どちらが優れているかどうかは塗る量などにも左右されます。
エモリエントとモイスチャライザーどちらも保湿効果があることは間違いありません。どちらを使用するにせよ、毎日たっぷりと塗布することが重要です。
保湿剤にも色々あるんだね。種類はともかく、『毎日たっぷり』が重要だよ!
Kさん コメントありがとうございます。
本名をご記入いただきましたが、多数の方がご覧になるページのため、「Kさん」とさせていただきました。
しっかりと薬を塗布してくださっているので、だいぶ症状が良くなってきましたね!
薬が全くいらなくなる『完治』まであと一息だと思います。これからもお手伝いさせてください。
昨日はありがとうございました。受診か終わった後クリニックさんの場所を確認兼ね見に行ってきました!十日町からでも分かりやすい場所で、通いやすいなぁと思いました!下の子は新生児の頃から、上の子は再度先生から診察していただくようになってから、まだ痒がったりしますが保湿でアトピーが分からなくなるくらいまで肌がキレイになって本当に助けていただき感謝の気持ちでいっぱいです!これからも完治目指し保湿頑張っていこうと思います!