今日は子育てに役立つ情報をお届けだよ!
当ブログの『子育てコラム』について
私は子育ての専門家ではありません。この『子育てコラム』は小児科医としての私個人の意見であり、もしかしたら間違った意見である場合もあるかもしれません。”そんな意見もあるんだな” というスタンスでご覧ください。
小さい子は否定語をうまく理解できない
ついつい「〜しちゃダメ!」と言ってしまいがち
小さなお子さんを子育て中のパパさん・ママさん、お疲れ様です!
今日は久々に子育てに関連した話題です。
皆さん、自分のお子さんに「〜しちゃダメ!」と言っていませんか?
- スーパーマーケット内で「走っちゃダメ!」
- 図書館などで「大声出しちゃダメ!」
- 食べ物などを「よごれた手でさわっちゃダメ!」
無意識のうちに言ってしまいがち。
でも、この「〜しちゃダメ!」という言葉を小さなお子さんに使うのは良くないかもしれません。
人間の脳は「〜しちゃダメ」などの否定語を理解するのが苦手
最近の脳科学の研究で、人間の脳は「〜しちゃダメ」「〜じゃない」などの否定語を理解するのが苦手であることがわかってきました。さらに、3歳くらいまでの幼児は否定語を理解するのが特に苦手であることも判明しています。
否定語がしっかりと理解できるようになるのは『対義語』がすらすら言えるようになる年齢からと考えられます。(”走る”の対義語は”歩く””または”止まる”)
対義語がうまく言えない低年齢では、否定語が理解できず混乱します。
例えば、母親が2歳のお子さんに「スーパーの中では走っちゃダメ!」と言ったとします。すると、言われたお子さんの脳内では次のような思考になります。
- なんか怒っている。怖い。
- 走っちゃ・・・「走る」イメージが頭の中に浮かぶ。走りたくなる。
- ダメ!・・・自分はダメなんだ。。。
「ダメ」とか「〜ない」という否定語の ”主語は何か” なんて、小さい子にはわかりません。自分が「ダメな存在」と否定された気分になります。
否定語を別の言葉に置き換える
小さい子には具体的なイメージを伝える
小さなお子さんを叱るときについつい否定語を使ってしまいますが、お子さんはうまく理解できません。ではどうしたら良いのか?
『具体的なイメージを伝える』のが重要です!
- 先ほどの例でいえば、「スーパーの中では走っちゃダメ!」→「スーパーの中ではゆっくり歩こうね!」
- さわってはいけないものをいじってしまう時は、「さわっちゃダメ!」→「おてては膝の上に置きましょう!」
「こうすると良いよ」という内容を具体的に伝えると、小さなお子さんでも理解しやすくなります。さらに、うまくできた時は満面の笑みで褒めてあげてください。お子さんにとって、パパ・ママの笑顔が一番のご褒美なんです!
小さな子には「〜しちゃダメ!」はダメなんだね。具体的に伝えなきゃ!
文責; 小柳貴人(アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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