にゃほー。
『水アレルギー』だって! どんな病気なんだろうね?
水アレルギー(水蕁麻疹)
水を浴びると蕁麻疹
みなさん、『水アレルギー』って聞いたことがありますか?
“皮膚に水にかかると皮膚が赤く腫れ、痒みや激痛” という、ひじょ〜にやっかいな難病です。『水アレルギー』というのは俗称で、正確には『水蕁麻疹』という病気です。
現在の医療では治療法はありません。蕁麻疹が出てしまったら皮膚に付着した水分を拭き取り、2時間程度かけて軽快するようです。ただし、全身が水浸しになってしまうとアナフィラキシーショックを起こすことがあり、生死に関わるようです。
厳密にいうとアレルギーではない
症状の出るメカニズムはよくわかっていないようですが、学問的にはアレルギー反応ではありません。その証拠に、食物アレルギーなどと異なり、水分を飲むのは問題ありません。体内の水分も問題はないのですが、自分の汗や唾液が “皮膚に付着” すると症状が出てしまうそうです。皮膚疾患の一種のようです。
ということは、全身汗だくになってはいけないということです。激しい運動はできません。入浴はもちろん、シャワーも浴びることはできません。体を洗うことが困難で、わずかに湿らせたタオルで体を拭くのが限界らしいです。
世界で100人もいない
この『水蕁麻疹』という奇病ですが、世界中の過去の報告全て合計しても100人に満たないそうです。
先日、「雨水や水路の水に触れた皮膚が腫れた」というご相談があり、”まさか本物の『水アレルギー』の患者さんが来院!?” と緊張が走ったのですが、「普通に入浴できます。シャワーも問題ありません。」ということでした。杞憂に終わってよかったです。
アレルギー分野って奥が深いですね〜。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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