気管支喘息

吸入薬はマスクを浮かすと効果激減!

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にゃっほー

にゃほー。
秋は喘息が悪化しやすい季節なんだ。吸入治療している人、きちんと吸入できているかな?

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Dr.小柳

喘息治療の中心は吸入薬です。吸入が上手にできるかどうかで治療効果がぜんぜん違うんです!今日は小さい子用の吸入器、ネブライザーについてのお話です。

喘息吸入薬

吸入薬の種類

エアゾール

ガスの圧力で薬剤を噴射。息を吸い込むのと噴射のタイミングを合わせる必要があり、小児でうまく吸入するのは困難。小児で吸入する場合は吸入補助器具(スペーサー)が必要。

ドライパウダー

粉末の薬剤を自分で吸い込む。息を吸う力が弱い小児では困難。うまく吸えるようになるのはおよそ8〜10歳くらい。

ソフトミスト

ゆっくり噴霧される吸入液を吸い込むタイプ。成人向け。

水性懸濁液

吸入補助器具(ネブライザー)で噴霧させて吸入する。時間がかるが、乳幼児でも吸入することができる。

吸入薬にはいくつかの種類がありますが、5歳以下の乳幼児期で吸入可能なのは『吸入補助器具(ネブライザー)を用いた水性懸濁液』と『吸入補助器具(スペーサー)を用いたエアゾール製剤』のみです。

吸入補助器具

スペーサー

エアゾール製剤を筒の中に噴霧し、数回の呼吸で薬剤を吸入する。呼吸とタイミングを合わせないで吸入が可能であり、乳幼児でも使用可能。

ネブライザー

水性懸濁液をジェットや超音波などの力で噴霧する機械。電源(コンセント・バッテリー)が必要。1回の吸入に時間がかかるが、乳児ではスペーサーを用いたエアゾール製剤の吸入よりもしっかりと吸入できる。

小さい子の吸入はマスクが必須

子どもの吸入療法にはスペーサーやネブライザーなどの吸入補助器具が必須です。

吸入補助器具は、口にくわえる「マウスピース」と、口・鼻を覆う「マスク」があります。

5歳以下の乳幼児ではマウスピースタイプで吸入するのは困難です(鼻で呼吸すると全く吸えません)。口・鼻全体を覆うマスクタイプを使用しましょう!

マスクを浮かせると吸入薬が半分も吸えない

乳幼児の吸入にマスクは必須ですが、「顔に密着させると嫌がる」のを理由に、顔から少し離して使用している方が見受けられます。

これはオススメしません。

  • マスクを顔から1cm離すと、吸入できる薬液量がおよそ半分
  • マスクを顔から2cm離すと、吸入できる薬液量がおよそ1/4

顔から1〜2cm離しただけで、吸入できる薬液量が激減することがわかっています。

乳幼児の吸入は、「吸入補助器具・マスクを使用」「マスクを顔に密着させて吸入」が大事ですよ〜!

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Dr.小柳

喘息治療に必須の吸入薬ですが、うまく吸入できていないと効きません。毎日吸入させるのは大変ですが、秋は特に悪化しやすい時期ですので頑張りましょう!

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

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