気管支喘息

雷雨ぜんそく

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にゃっほー

にゃほー!
”雷雨ぜんそく” だって!何のことだろうね?

先日のYAHOO!JAPAN ニュースの話題を紹介します。

台風が通り過ぎた後の喘息発作に注意 知られざる雷雨喘息とは

 

雷雨の後に多数のぜんそく患者が発生

まずはYAHOO!JAPANニュース記事をご覧ください

YAHOO!JAPANニュース記事内で呼吸器内科のスーパードクター・倉原先生がとてもわかりやすい解説をしてくださっているので、まずはそちらをご覧ください。

当ブログでは記事の紹介と、補足情報を掲載します。

『雷雨ぜんそく』とは

ここでは ”まとめ” だけ掲載します。

  • 樹木/雑草花粉が嵐で空気中に舞い上がる
  • 強い雷雨によって空気中の湿度が上昇
  • 舞い上がった花粉が水分を吸って膨張・破裂
  • 微細に砕かれた花粉が空気中に散乱
  • 吸い込んでしまった人が強いぜんそく症状を発症


YAHOO!JAPANニュース記事より

5年前にオーストラリアで『雷雨ぜんそく』が大発生

2016年11月 オーストラリアメルボルン近郊の町で強い雷雨が発生し、その直後から喘息発作での救急車を要請する電話が殺到、一晩で1,000件近くの救急車出動があったそうです。

病院で治療を受けた人はメルボルン周辺だけで何と13,000人に達し、575人もの人が緊急入院しました。

中には重症の方もおり、最終的に9名の犠牲者が出てしまいました。

テイラー博士が『雷雨ぜんそく』を発見

メルボルン大学の植物学部で研究員として働いていた環境アレルギー専門のフィリップ・テイラー博士は、1980年代から「雷雨の後にぜんそく患者が増える現象」を繰り返していることに気づきました。

膨大な数のカルテを参照し、患者にある共通点を見つけます。『ライグラス花粉症』です。

オーストラリアでは ”ライグラス” というイネ科植物の花粉症患者が多数存在し、雷雨の後にぜんそく発作を起こしていることを発見したのです。

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Dr.小柳

並の医者は気づかないです。間違いなく天才の仕業です。

花粉症でもぜんそく発作が起こることはある

スギ花粉症でもぜんそく発作は起こることがある

花粉は粒子が大きく、吸い込んでも眼・鼻・喉の粘膜に付着するだけであり、肺の中に入り込むことはほとんどありません。

しかし、大量に吸い込んでしまった場合は花粉が肺内に入り込むことがあり、ぜんそく発作を起こすことはあります。

『花粉ぜんそく』は重症になりやすい

花粉はダニやハウスダストなどと比べて粒子が大きく、一度肺内に入ってしまうと排出されるまでにかなりの時間を要します。『花粉ぜんそく』は重症になりやすいんです。

幸い、日本では『スギ花粉症』がメインであり、オーストラリアで起きた『雷雨ぜんそく』の原因となる『イネ科植物花粉症』はあまり多くありません

今のところ日本で『雷雨ぜんそく』が問題になっていないのはそのためです。

日本でも『雷雨ぜんそく』が起こる可能性

日本で圧倒的に多い『スギ花粉症』。症状が出るのは3月〜4月です。この時期は台風などの発生は稀で、比較的天候が良いこともあり、今まで『雷雨ぜんそく』の発生は報告されていません。

しかし近年、地球温暖化などの環境変化による気候変動により、予想だにしない時期に台風や大雨などの天候災害が起きるようになってきました。

もしかしたら近い将来、日本でも『雷雨ぜんそく』が問題になる日が来てしまうかもしれません。

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にゃっほー

『雷雨ぜんそく』って花粉症の人に起こるんだね!
日本で起きなければいいんだけど・・・

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

 

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