みなさんこんにちは。Dr.小柳
先日国内の新型コロナ感染症の小児死亡例について調査結果が報告されました。
新型コロナ感染症小児死亡例
専門家会議の調査報告
先日、厚生労働省専門家会議による新型コロナ感染症調査結果が報告されました。
ざっくりまとめると以下の通り。
- 今年1月以降、20歳未満の新型コロナ感染による死者は41人報告されている
- そのうち、詳細な聞き取りを行なった29人の解析を行なった
- 5歳未満が14人、5歳以上20歳未満が15人だった
- ワクチン接種が可能な5歳以上の死者のうち、15人中13人がワクチン未接種、2人がワクチン2回接種済みだが、3ヶ月以上経過していた
- 小児死亡例29人のうち、基礎疾患なしが15人
- この15人の死因を解析すると、「呼吸器症状」は1人もおらず、「中枢神経系の異常(脳症など)」・「循環器系の異常(心筋炎など)」が多かった
成人に比べると小児の接種率が非常に低い
新型コロナ予防接種の接種率ですが、日本は『成人の接種率8割越え』であり、世界でもトップクラスの接種率です。
これに対し、小児(5歳〜11歳)の接種率は18.3%(8月5日統計)であり、非常に低いようです。
小児の接種率が低い理由
- 成人と比べ、新型コロナ感染による死亡率が低い
- 接種前に感染してしまったので、追加で接種を受けるつもりは無い
- 予防接種の副反応、後遺症が心配
- 同級生など周囲のお子さんが接種するかどうか様子を見ている
小児の接種率が低い理由はこんなところでしょうか。
小児でもワクチンによる重症化予防効果はかなり高い
「小児はそもそも重症化しにくいんだから、予防接種なんてしても無駄でしょ」なんて意見が一部であるようです。
確かに小児は成人と比べて重症化しにくく、死亡例も少ないのですが、5歳〜11歳の新型コロナワクチン2回接種のオミクロン株に対する入院予防効果は65%〜90%(各国調査)とかなり高く、成人と同様、しっかりと重症化を予防する効果があることがわかっています。
今後、新型コロナ感染症(COVID-19)は ”国内に常に存在するウイルス” となっていきそうです。お子さんが新型コロナの予防接種を受けることについて、副反応や後遺症が怖い気持ちもわかりますが、『ワクチンによる強い副反応や後遺症』<<<『新型コロナ感染による重症化、後遺症、死亡』であり、確率論的には予防接種をしっかり受けた方が安全であることは知っておいてください。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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