みなさんこんにちは。
今日は ”開業後だと書けない医療業界のヒミツ” について暴露しちゃいます!
『後医は名医』
セカンドオピニオン
みなさんご自身、もしくはご家族が病気になった時に、”なかなか病気が改善せず、はっきりした診断がつかなくて” 右往左往した経験はありませんか?
現在診療を受けている担当医以外の医師に第2の意見を求めて受診することを『セカンドオピニオン』と呼びます。
大病に限らず、「風邪がなかなか治らなくて他の医者にかかった」というのもセカンドオピニオンの一種です。大抵の病気は2人目の医師の診察の時点で診断がつき、治療の筋道がつくかと思います。
後から診た医者の方が断然有利
1人目の医者では診断がつかず症状も良くならないため、2人目の医者にかかったとします。2人目の医者で病気の診断がつき、適切な治療が施され病気が治ると、「1人目の医者は診断ができないヤブ医者だった」というイメージを持ってしまうかもしれません。
でもね、、、これは大きな間違いです!
なぜかというと、後から診察した医師のほうが断然優位だからです。
後医は前医よりも、診療開始の時点で『多くの情報』があるので診断に有利
後医は、前医で行われた検査結果や処方内容のデータがある状態でスタートします。
- 例えば、風邪の患者さんが前医で「インフルエンザ検査」を受けて陰性だったとします。すると、後医は診断開始の時点で「今回の風邪はインフルエンザではない」という情報が既にある訳です。
- 前医で処方された薬があまり効かなかったと言えば、「この薬は効果がないんだな」という情報が後医に伝わります。当然、後医は別の薬を処方するでしょう。
このように、後から診察する医師はさまざまな情報がある状態からスタートするため、最初に診察した医師と比べると断然情報量が多い状態です。
後医にかかる頃には『そもそも治りかけ』
一般的な風邪でも少し重めの風邪だと、症状が軽快するまでに1〜2週間を要する場合があります。
風邪をひいて4〜5日間も熱が続いたら医者を代えたくなるだろうと思いますが、たいていの風邪なら5〜6日で熱が下がってきます。
2人目の医者にかかる頃にはすでに『治りかけの時期』の場合がよくあります。
後医が前医を批判することがある
稀だと思いますが、後から診察した医者が「こんなのも診断できなかったのか!」とか「なんで診断できなかったんだろ〜ね〜?」とか、前医を批判することがあるようです。
こんなコメントを聞いたら、患者さんはみんな『前医はヤブ医者』というイメージを植え付けられてしまいますよね?
私は『後医の方が圧倒的に有利』ということを知っているため、できる限り前医の批判はしないように心がけています。
開業した後に今回の話をすると『負け惜しみ』みたいになっちゃうので、病院勤務のうちに暴露したかったんです^^;
参考になりました?
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
コメント