一般小児疾患

『水いぼ塗り薬』取り扱い開始

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にゃっほー

にゃほー。
今日は『水いぼ』の治療について解説するよ!

水いぼ(伝染性軟属腫)

『水いぼ』とは

『水いぼ(正式名称:伝染性軟属腫)』は、伝染性軟属腫ウイルスが皮膚に感染することで発症する感染症で、主に小児に見られる皮膚疾患です。

伝染性軟属腫ウイルスが皮膚の小さな傷やささくれ、乾燥肌などから入り込み、皮膚の細胞に感染してウイルスが増殖して「いぼ」を形成します。

いぼの大きさは1~5㎜ほどで、表面はつるつるしていて水っぽい光沢があります。大きいいぼだと中央部がやや凹みます。

いぼは痛みはほとんどありませんが、かゆみを伴うことがあり、ひっかいてしまうと内容物(軟属腫)が飛び出して別の皮膚に付着し、新たな場所に感染が広がってしまうことがよくあります。そのため、水いぼはひとつできるとその付近や、普段から触りやすい部位に次々と大量にできてしまいます。

アトピー患者にできやすい

伝染性軟属腫ウイルスは正常な皮膚には感染しづらく、アトピー性皮膚炎に代表される皮膚病があると感染を起こしやすいことがわかっています。

アトピー性皮膚炎は全身の皮膚が乾燥肌状態のことが多く、小さな傷が無数にあるため、ウイルスが皮内に侵入しやすいのだと思います。

治療

水いぼには残念ながら特効薬はありません。
現在行われている治療法は以下の通り。

経過観察

水いぼは「伝染性軟属腫ウイルス」の感染症であり、感染してから半年〜2年程度で「伝染性軟属腫ウイルス」に対する免疫ができるとされています。しかし、その仕組についてはよくわかっていません。

多くの場合、半年〜2年程度で自然治癒しますが、かなりの時間がかかるため、その間に水いぼを引っ掻いたり触ったりして、かなりの数に増えてしまうことも多いです。

専用ピンセットで摘除

ウイルスが感染した皮膚ごと摘除する方法です。

局所麻酔薬を使用して痛みを軽減させてから水いぼをピンセットで摘み取るのですが、麻酔薬の効きが悪いと痛む場合があります。小さいお子さんだと怖くて暴れてしまう可能性があるので、体を抑えてやる必要があります。

水いぼの数が少ないうちは良いですが、数十個まで増えてしまうと摘除しきれなくなります。

液体窒素でいぼを凍結

主に皮膚科の先生が行う治療法です。

液体窒素で水いぼを凍結させ、水いぼの脱落を促します。こちらも軽度の痛みを伴います。

こちらも水イボの数が少ないうちは良いですが、あまりに多くなると対応できなくなります。

漢方薬

ヨクイニンを長期間(数カ月)に渡って内服する方法です。

効き目があるのかはっきりしませんが、一部の方に有効だったという報告があります。

硝酸銀液または銀イオン含有クリーム

外来で硝酸銀液を塗布したり、銀イオンを含むクリームを自宅で塗布する方法です。

銀イオンがウイルスに殺菌的に働いて徐々に水いぼが縮小、脱落していきます。複数回の塗布が必要であり、一気に治すことはできませんが、順調に効けば2〜3ヶ月で治るのを期待できます。

ただし、この方法は保険適応外の治療法であり、自費治療となります。

当院で『銀イオン含有クリーム(自費診療)』の取り扱いを始めました!
M-BFクリーム 1本15g入り 定価2,200円

当院では、『経過観察』もしくは『銀イオン含有クリーム』での治療がメインとなります

『水いぼ』がある状態でプールに入っても良い?

水いぼは法律上は「隔離の必要は無い」とされています。

「塩素消毒されているためプールの水ではうつらない」とされていますが、直接水いぼに触れてしまったり、タオルや浮き輪、ビート板などの用具を介してうつる可能性があります。

水いぼが多発しているときはラッシュガードを着させたり、タオル等を共有しないなどの配慮があったほうがより良いですね。

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Dr.小柳

今夏は水いぼのご相談が多数ありました。基本的には経過観察だったのですが、『銀イオン含有クリーム』の取り扱いを始めましたので、ご相談ください。

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

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