一般小児疾患

熱中症予防に水を

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Dr.小柳

みなさんこんにちは。
連日35℃超えの猛暑ですが、熱中症で緊急搬送される方が多いようです。

水中毒

熱中症予防のために水をがぶ飲み

今年の夏はほぼ毎日、熱中症のニュースが報道されています。

この1週間、連日35℃越えの猛暑ですので当然と言えば当然なのですが、最近の熱中症救急搬送はなんだか様子が変なんです。

「水をめちゃくちゃ飲んでいたのに倒れた」

熱中症にならないように水を多量に飲んでいたのに具合が悪くなり、救急搬送されているのです。

熱中症の主要因は『水分不足』

猛暑では大量の汗をかくため、水分をしっかりと補給しなければ脱水症になります。脱水症になると汗がほとんど出なくなるため、体にこもった熱を放散することができなくなり、熱中症に至ります。

そのため、水分を大量に補充する必要があるのですが、ただ水をたくさん飲めば良いというわけではありません。

脱水時に水だけ補充すると『水中毒』の危険

人間の体液は、水と塩分(ナトリウムイオンなどの電解質)でできています。猛暑の中での活動で大量の汗をかいたときには、水分とともに塩分も失われてしまっています。そんなときに水だけを飲んでも、塩分がなければ浸透圧の関係で細胞の中まで入っていけないため、体の中に水分をためておくことができません。

さらには体液が薄まって、ナトリウム不足(低ナトリウム血症)を起こしてしまう危険があります。この現象は水中毒とも呼ばれます。水中毒になると、こむらがえりや頭痛、吐き気を起こしたり、意識がもうろうとしたり、けいれんを起こしたりして、重症の場合は死亡することもあります。

水分と一緒に塩分をしっかりと補給するのが重要です!

飲む点滴『経口補水液』

経口補水液には、体液に近いバランスで水分と塩分(ナトリウムイオン)が含まれているため、両方を一度に補うことができます。さらに、脱水症のときにナトリウム以外にも失われるカリウムイオンやマグネシウムイオンも含まれており、これらが不足して起こるこむら返りや筋力の低下、しびれ、不整脈などの予防・改善に役立ちます。

一方、スポーツドリンクは経口補水液に比べるとナトリウムイオンの濃度は低めであり、大量に発汗した時には塩分が足りません。一部のスポーツドリンクは塩分が控えめなものも存在し、『水中毒』を起こす危険性すらあります。

猛暑で多量に発汗している時は、スポーツドリンクよりも経口補水液の方が最適と言えます。

種類が増えて来た『経口補水液』
少し前まで、経口補水液と言えばポカリスエットで有名な大塚製薬から発売されている「OS-1」一択でした。しかし近年、ライバルのアクエリアス(コカコーラ社)からも”アクエリアス経口補水液”が発売されました。

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Dr.小柳

猛暑の水分補給では『塩分』もしっかり摂りましょうね!

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

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