アレルギー体質が作られるメカニズムが徐々にわかってきた
食物アレルギー体質が作られる時期
皆さん、食物アレルギーっていつ頃に発症すると思いますか?
そうです、離乳食を食べ始めの時期に初めて症状が出る方が大多数です。
それでは、いつから食物アレルギー体質が作られたのでしょうか?
- 親からの遺伝や母胎内で作られ、生まれた時にはアレルギー体質が決まっていた
- 生まれた時から離乳食を食べ始める前
- 離乳食を食べ始めた時
正解は・・・2!
- 生まれた瞬間に食物アレルギー体質を持っている人はまずいません。(各種アレルギー検査をしても何も異常値はでません)
- 離乳食の初回(初めてゆで卵を食べさせた時など)に発症することが多く、初めて食べた時より前に食物アレルギー体質が作られていた可能性が高い。
以上の理由から、『生まれた時から離乳食を食べ始める前』の間に食物アレルギー感作(食物アレルギー体質が作られること)が起きると考えられるようになりました。
=食物アレルギーは生まれた後から作られる『後天性疾患』
経皮感作
2003年に ”イギリスのピーナッツアレルギー児の91%が生後6ヶ月までにピーナツオイル入り保湿剤を使用されていた” というデータが発表されました。(Lack G, et al., N Engl J Med 2003; 345:977-85.)
→この頃から、”食物アレルギーと皮膚は密接な関係があるのかもしれない” と考えられるようになってきました。
その後、各国で様々な研究が行われ、現在では、
食物アレルギーの多くは皮膚を通じて感作(アレルギー体質が作られること)が起きている
ということが専門家の中で共通認識となっています。
ビックリだね!皮膚を通じて食物アレルギー体質が作られてしまうなんて、ぜんぜん考えていなかったよ。
少し長くなったので、続きは明日以降のブログでね!
文責; 小柳貴人(アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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