にゃほー。
今日は『日焼け止め』についてのお話だよ!
子どもは紫外線に弱い
乳幼児期は紫外線をブロックしてくれる角層がとても薄いため、紫外線の影響を大きくうけてしまいます。
紫外線は皮膚にダメージを与えて皮膚炎の原因となる他、皮膚の老化や将来のシミ・クスミの原因となります。
小さなお子さんほど紫外線には気をつける必要があります。
子どもは日焼け止めでかぶれやすい
乳幼児の皮膚は紫外線だけでなく、日焼け止めの成分に対しても敏感です。
大人と比べ、日焼け止め塗布による皮膚炎・かぶれが多いと言われており、闇雲に「紫外線から守るために日焼け止めを使用すれば良い」というわけではありません。
日焼け止めは大きく分けて2種類
国内で市販されている日焼け止めは2種類に大別されます。
紫外線吸収剤(t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイヒ酸オクチルなど)
紫外線を吸収して皮膚に届かなくする種類の日焼け止めです。
価格が安く、紫外線をブロックする効果も文句ないのですが、吸収された紫外線は熱に変換され、皮膚炎の原因になりやすいと言われています。
紫外線吸収剤は有効成分以外に様々な化合物が添加されることも多く、皮膚に吸収されて皮膚炎・かぶれの原因になるとも言われています。
正直、お子さんの皮膚に使用するのはあまり勧められません。
紫外線散乱剤(酸化チタン、酸化亜鉛など)
紫外線を乱反射して跳ね返すことで皮膚をブロックする種類の日焼け止めです。
一般的に皮膚炎を起こしづらく、紫外線防止効果にも優れていると言われています。ただし高価です。
お子さんに使用する日焼け止めとしては圧倒的にこちらのタイプがお勧めです。
FDA(アメリカ食品薬品局)も子供に使用する日焼け止めとしてはこちらを推奨しています。
SPFやPAはそこそこで十分
UVーBを防ぐ能力をSPF、UV-Aを防ぐ能力をPAで表されます。
- SPFは2〜50+で表され、数値が高いほどプロック効果が高いです
- PAは+〜++++で表され、+が多いほどブロック効果が高いです
SPF20以上、PA++以上なら十分な紫外線防止効果があるとされています。2〜3時間程度の日差しには十分に耐えることができます。
SPF・PAが高い製品はそれだけ濃度が濃かったり、添加物が多くなるため、日焼け止めによる皮膚炎を起こしやすくなる可能性があります。ブロック効果が高ければ良いというわけではないんですね。
まとめ
・子どもの皮膚は薄くて弱いため、紫外線から守ってあげる必要がある
・日焼け止めとしては酸化チタン・酸化亜鉛などが主成分の「紫外線散乱剤タイプ」がお勧め
・SPF20以上・PA++以上が目安、あまり強いものはお子さんにはお勧めできない
まあ、日焼け止めをどうこうよりも、帽子や日傘、長袖長ズボンなどで直接遮った方が確実ですし、そもそも直射日光にさらされる時間を短くするのが1番の対策ですね。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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