みなさんこんにちは。
今日は学会最終日でした。
医療関係者や研究者などの専門職以外の方にとって、学術大会は “謎に包まれた会合” だろうと思います。
今日は学術大会の裏話をしたいと思います。
学術大会は学会の『全国勉強会』
各分野の専門家の集まりが『学会』です。
アレルギーを専門とする医師の集まりが「日本アレルギー学会」。
その学会が年に1〜2度開催する全国勉強会が『学術大会』です。
私は今回「日本アレルギー学会学術大会」に参加してきました。
全国各地のアレルギー専門家が集まり、研究発表などを行う場です。
服装は正装(主にスーツ)
学術大会には一応ドレスコードがあり、正装、主にスーツでの参加が一般的です。
「講演者や研究発表者、学術大会開催者の方々に敬意を払いましょう」ということだと思いますが、正直なところ、スーツを着慣れていないので堅苦しいです。
稀に “ほぼ私服” の方もいますが、追い出される様なことはありません。流石にTシャツ・ジーンズ・サンダルの格好だと追い出されるかもしれません。
学術大会の規模は様々
学術大会の規模は各学会により様々です。学会の会員数に比例した規模になります。
会員数が段違いに多い「内科学会」などは特大の学術大会となります。学術大会の参加者の数は数千人、もしかすると万単位かもしれません。(詳細を調査したわけではないです。アレルギー学会の約10倍の会員数なので、推測しました。)
最小規模の学会になると数十人〜数百人程度になるだろうと思います。
内容は、研究発表、教育講演(授業みたいな内容)、ハンズオンセミナー(手を動かす実習)、ポスター発表など
学術大会の内容ですが、研究発表(これがメイン)、教育講演(高名な先生による授業みたいなスタイル)、ハンズオンセミナー(実技を学ぶ場)、ポスター発表(研究内容をポスターにして張り出す)などがあります。
朝から夕まで、多種多様の勉強会が、数カ所の部屋に分かれて行われます。
朝8時くらいから、夕方18時くらいまで、本当に1日中勉強会が行われている感じです。全力で聴いているとぐったりするほど疲れます。
企業展示や書籍販売で息抜き
流石にフルで勉強していると体がもたないので、興味のある分野の講演の隙間に、企業展示(新薬や新発売の医療物品のPRブース)へ足を運んで、新商品についての情報を教えてもらったり、医学書籍を売っている本屋さん(ほとんどの学術大会で医学書本屋さんが出店しています)で立ち読みしたりして息抜きをします。
専門の医学書は通常の本屋さんには置いていません。ネットで買うことは可能ですが、ネットだと内容をしっかりと確認することができないため、学術大会での本屋さん出店は本当に助かりますす。
企業展示会や本屋さん近辺で知り合いの先生と会うと、そのまま井戸端会議になることもあります。
ランチョンセミナーでお腹いっぱい
お昼ごはんはどうするのか?
周辺のレストランなどで食べても良いのですが、学術大会の会場近辺に数千人が一斉に食事をとるほどのキャパシティは無いと思います。
規模の大きい学術大会には大抵、薬剤メーカーさん主催の「ランチョンセミナー」があります。
ランチョンセミナーとは、薬剤メーカーさん協賛の『お弁当付き教育講演』(ご飯を食べながら授業を聴く感じです)です。
弁当の内容は選べないのですが、「どんなお弁当かな〜?」とかワクワクしながら入場します。
このランチョンセミナーは学術大会の楽しみの一つだったりします。
コロナ禍の影響でハイブリッド形式に
新型コロナ感染症が流行する前は「現地参加」しかありませんでした。
しかし、新型コロナが大流行してからは「オンライン参加」も可能になり、最近は「現地参加」「オンライン参加」どちらもOKのハイブリッド形式が取られることが多いようです。
わざわざ自宅から遠い学術大会会場へ足を運ばなくても講演を聴くこともできるのですが、自宅でパソコン画面を見ているだけだとすぐに飽きてしまい、全く勉強になりません。現地参加で直接研究者の発表を聴くのとは理解度が全く違います。
手を動かして学ぶ「ハンズオンセミナー」などは現地でしか参加できませんし、企業展示や医学書籍本屋さん、ランチョンセミナーなどの楽しみもありません。
やっぱり「現地参加」に勝るものは無いなと思いました。
学術大会期間中はクリニックを臨時休業する場合がありますが、最新の医学知識を学ぶための重要な会合です。ご理解いただければと思います。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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