食物アレルギー

誤食事故は頻発している

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Dr.小柳

みなさんこんにちは。
今日は食物アレルギーの『誤食』について考えます。

誤食ゼロは不可能なのか?

食物アレルギーの原因食品を誤って食べてしまう『誤食』。食物アレルギーの皆さんは経験ありますか?

”食物アレルギーの患者さんの半数以上が一生のうちに1回以上の『誤食』を経験する” などという推計があるくらい、『誤食』は食物アレルギー患者さんにとって切ってもきれないものです。

保育園・幼稚園の3割以上が「年1回以上の給食事故」

ここに衝撃的なデータがあります。

なんと3割を超える園施設(保育園・幼稚園)で年1回以上の給食事故が起きているのです!!!
誤食事故のうち、1/3が実際に症状が出てしまっているようです。

誤食事故ってめちゃくちゃ多くないですか???

おそらく人間が確認している限り、「誤食事故」はこれ以上減らない

およそ10年前、小学校給食が原因で食物アレルギー死亡事故が起きてしまいました。上記誤食事故のデータはその給食死亡事故から2〜3年しか経過していない時期に集計されたデータです。

園の先生方は給食やおやつを誤配膳しないように細心の注意を払っているはずなのですが、それでもこれだけ多くの誤食事故が起きてしまうのです。

正直なところ、人間が確認している以上、これ以上誤食事故を減らすのは無理なのかもしれません。

誤配膳や微量混入のチェックはオートメーション化すべき

園の先生方は日々の忙しい仕事の合間に給食の誤配膳や微量混入のチェックをしています。見落としてしまうのも無理はありません。

職員の数も限られているため、何重ものチェック体制というのも無理です。

費用的な問題もありますが、誤配膳していないかどうか、微量混入の可能性がないかどうか、人間の目だけに頼るのではなく、「機械などによる多重チェック機能を確立できれば良いのに」と思う次第です。

食物アレルギーの研究はどんどん進んできていますが、「原因食品を食べないようにする」という鉄則は普遍です。これが食物アレルギー対応で最も大切なことです。

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Dr.小柳

本気で『誤食事故ゼロ』の時代が来ることを祈っております。

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

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